ソフトウェア・シンポジウム 2018 論文/報告/Future Presentation

羊ヶ丘の写真

ソフトウェア・シンポジウム 2018 にご投稿いただいた論文/報告/Future Presentation に対して,プログラム委員会で審査を行い,下記を採択いたしました.

皆さま,ご執筆,ご投稿いただき,ありがとうございました.

時間 520研修室 820研修室
6/6(水) 13:20-14:45 形式手法
品質管理
    14:55-16:20 チーム力向上
開発管理
6/7(木) 9:00-10:25 個と組織の成長
要求工学
    11:50-12:40 Future Presentation(1)
Future Presentation(2)

ワーキンググループ14「ソフトウェア開発の現状と今後の展開に向けたディスカッション」での発表が1件あります.

時間 930研修室
6/7(木) 14:15-14:40 不具合予測

形式手法

[研究論文]アジリティのある探索的形式仕様記述のためのテストフレームワーク
小田 朋宏 (株式会社SRA), 荒木 啓二郎 (熊本高等専門学校)
要旨:
VDM-SL は実行可能なサブセットを持つ形式仕様記述言語である.我々は,形式仕様記述工程の初期段階における探索的な記述プロセスに注目し,それを支援するための仕様記述環境として ViennaTalk を開発してきた.探索的な仕様記述では仕様には頻繁に誤りが発生するため,仕様記述の生産性と品質向上のためには,誤りの早期発見と効率的な除去が求められる.本稿では,探索的な試行錯誤の中で VDM-SL 仕様の記述誤りを早期に発見するためのテストフレームワーク ViennaUnit について,ViennaTalk での実装を説明し,ツール機能としての応用と評価を示す.
研究論文

[研究論文]SOFL 形式仕様に基づく C#プログラムのテストツール
網谷 拓海, 劉 少英 (法政大学情報科学研究科)
要旨:
形式仕様をプログラムの実装だけでなくテストにも利用できれば,ソフトウェアの開発コストを削減でき,形式仕様の有用性も高まる.具体的には,形式仕様に記述された入力に関する条件をテストケースの生成に,出力に関する条件はテスト結果の評価に利用することができる.先行研究ではこの特性を生かし,SOFL 形式仕様を使ってテストケースの生成とテスト結果を評価するプログラムが作成された.しかし,生成したテストケースをテスト対象プログラムに入力するプログラムの作成と,テストの実行,テスト結果を評価プログラムに入力することはすべて手動で行い,別のツールを使用する必要があった.そこで本研究では,SOFL 形式仕様に基いて実装された C#プログラムのテストケース生成,テスト用プログラムの生成と実行,テスト結果の評価までの一連の作業をすべて行えるツールを考案,実装し,実際の事例に適用可能なことを確認した.
研究論文

論文奨励賞
[研究論文]ソースコードからCDFDへの変換によるSOFL仕様記述の支援ツールの提案
新城 汐里, 劉 少英 (法政大学情報科学研究科)
要旨:
ソフトウェアを開発する際に機能を定義する仕様の記述が疎かになる場合がある.これはレガシーソフトウェアにも該当することであり,仕様記述が疎かであるどころか存在しない場合もある.この問題を解決するためにJava ソースコードから CDFD を生成し,SOFL 形式仕様の記述を支援するツールを提案する.これにより仕様記述にかかるコストを軽減し,ソースコード中のバグの検出を助ける.
研究論文

品質管理

優秀論文賞
[研究論文]データ値の差異とデータフローの視覚化によるデバッグ補助手法の提案
神谷 年洋 (島根大学大学院自然科学研究科)
要旨:
クラッシュしないバグのデバッグ,すなわち,プログログラムの実行中に不正な値が生成され,ヌルポインタエラーなどで中断されることなくプログラムの実行が続き,一見正常に終了するものの,不正な出力が得られる不具合を修正する状況を想定したデバッグの補助手法を提案する.
提案手法は動的解析手法の一種であり,対象となるプログラムを実行して実行トレースを収集し,実行トレースから不具合に関連するデータフローと関数呼び出しを含む部分列を抽出する.不具合に関連するデータフローを一覧できるようにすることで,開発者が不具合の原因を理解し,ソースコード上で修正を行うべき場所を検討する作業を補助する.抽出される実行トレースの部分列は,プログラムの実行開始から不具合に至った実行系列を含むものであるが,値の差異に着目した絞り込み,および,データフローによる絞り込みにより,もとの実行トレースよりも小さなものにすることで,一覧性を高める.
研究論文

[研究論文]不具合混入コミットの推定手法間での整合性比較と考察
北村 紗也加 (京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科 博士前期課程 情報工学専攻)
水野 修 (京都工芸繊維大学 情報工学・人間科学系)
要旨:
ソフトウェアの複雑さと重要性は日々増してきており,ソフトウェアの品質を高い水準で保つことが重要視されている.このような現状においてはソフトウェアの品質予測は重要な研究テーマであり,どのような手法で品質予測を行うかに注力されてきた.不具合混入コミットを推定する手法では,その評価を行うためには正解データが必要であり,不具合の正解データ (真値) として Commit Guru による不具合混入コミットの情報が多く利用されている.しかしながら,Commit Guru の不具合混入コミットの情報の正解データとしての信頼性は不明である.
本研究では,その信頼性に対する検証を行った.不具合混入コミット推定手法である SZZ アルゴリズムを用いて,同じ不具合データに対する結果の整合性を比較し,その結果を考察した.Commit Guru,および SZZ アルゴリズムを用いた不具合コミット推定結果の差異において検証を行った結果,Commit Guru の方がより優れた不具合コミット推定の結果を示し,正解データとしての可能性を示すものとなったが,その信頼性は十分であるとは言い難い.
研究論文

[研究論文]不具合誘発パラメータ組み合わせ特定三手法の比較評価
渡辺 大輝, 西浦 生成 (京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科 博士前期課程 情報工学専攻)
水野 修 (京都工芸繊維大学 情報工学・人間科学系)
要旨:
組み合わせテストによる不具合誘発パラメータ組み合わせの特定は,ソフトウェア開発者が不具合誘発の原因となる要因を特定する上で重要な役割を果たす.近年,様々な研究者によって組み合わせテストの手法が数多く提案されている.一方で,不具合の個数や不具合誘発条件の複雑さ,用いるシステムの規模などで示されるある特定の状況下において,実際どの手法を用いれば最も効率よく正確に不具合誘発パラメータ組み合わせを特定できるのかという疑問が抱かれる.本論文では,これまでに提案された 3 種類の従来手法を用いて,組み合わせテストにかかる処理時間,必要な追加テストケースとその実行回数,不具合特定成功率といった 3 つの観点を中心に比較評価を行った.実験の結果,用いたテストスイートの変化による同一手法内でのデータの変化や,同一のテストスイートにおける 3 種類の従来手法の実験結果の差異について収集することが出来た.また,得られたデータを元に比較を行い,3 種類の従来手法の有用性の差別化や,テストスイートの変化が引き起こす影響についての結論を示した.
研究論文

チーム力向上

[経験論文]モデリングによる暗黙知分解とスキル補完への取り組み ~共感と共創をつくり,人材不足解消と多能工を促進~
三輪 東, 清田 和美 (SCS株式会社), 與儀 兼吾 (SCSKニアショアシステズ株式会社)
日下部 茂 (長崎県立)
要旨:
大規模システムを広範囲に担当している現場では,複数の異なる作業や工程に対応できる多能工人材の存在は貴重であり,我々は積極的にその育成を行っている.そのような多能工人材の育成には,複数の異なる作業や工程の経験が必要であり,次のようなことが重要と考えている.長年の経験などで積み上げられたルールや作法が暗黙知となり第三者から分かりにくい点を分解・可視化し新規参入者への理解を容易にする,関係者のフォローや協力によってスキル不足を補完する合意形成をする,などである.
本経験論文では,システム理論に基づく事故モデルSTAMP とその分析手法である STPA や CAST が,暗黙知の理解を助けスキル補完の合意形成を促進し,多能工を促進する組織のツールとして役立った一例を報告する.
経験論文

[経験論文]アジャイルの振り返りとシステム・シンキングの有効性について ~ロジカル・シンキングは万能ではない~
日山 敦生 (緑ビジネスコーチ研究所)
要旨:
アジャイル開発の振り返りには,フレームワークの KPTがよく使われる.問題の分析手法であるロジカル・シンキングは,技術的な問題には非常に有効であるが,万能ではない.人や組織の問題には,システム・シンキングを基本とする解決志向アプローチが,有効である.原因を究明しない解決志向アプローチを用いることにより,チームの強味の再利用や,問題の迅速な解決が容易となる.アジャイル開発の振り返りに,解決志向アプローチを用いることで,設計品質のさらなる向上に,貢献できる.
経験論文

[事例報告]結合・総合テストフェーズにおける継続的テスト設計の取り組み
山口 真, 豊田 圭一郎, 田辺 紘明 (SCSK株式会社)
要旨:
ステム開発プロジェクトにおける有識者のセンサー・感覚,そしてプロジェクトのサブシステム担当者(以下,サブシステム担当者)の懸念・疑念という 2つの「暗黙知」を短いサイクルで抽出し,テストケースという「形式知」に昇華させ、効果的・効率的かつ継続的にテスト品質を高める取り組みを紹介する.
要旨
事例報告

開発管理

最優秀論文賞
[研究論文]バグ修正時間を考慮したソフトウェア最適リリース問題についての一考察
岡村 寛之, 住田 大亮, 土肥 正 (広島大学大学院工学研究科)
要旨:
本稿では,バグ修正難易度を表す指標としてバグ修正時間を用いたソフトウェア最適リリース問題の再考を行う.特に,従来のバグ修正時間を考慮したソフトウェア信頼性モデルにおいて,バグ発見時刻と修正時間が独立であるという仮定を修正し,バグ発見時刻と修正時間の相関を表現することができる一般的なモデルフレームワークを取り上げ,そのモデルフレームワークにおけるソフトウェア最適リリース問題について考察する.
研究論文

[研究論文]トピックモデリングに基づく開発者検索手法の構築へ向けて
福井 克法, 大平 雅雄 (和歌山大学 システム工学部), 川辺 義勝 (株式会社SRA)
要旨:
効率的なソフトウェア開発には適切な人材配置が重要となるため,ソフトウェア開発組織は各開発者がこれまで携わった業務に関する経験をできる限り詳細に把握し管理できることが望ましい.しかしながら,組織の規模がある程度大きくなると在籍するすべての開発者の業務経験を人為的に管理することは現実的に困難な問題となる.本研究の目的は,ソフトウェア開発の全工程を対象として開発者を広く検索できる手法を構築し効率的な人材配置を支援することである.特に本論文では,メーリングリストアーカイブへ潜在的ディリクレ配分法 (LDA: Latent Dirichlet Allocation) を適用した結果に基づいて,検索語と開発者の関係性を定量的に計測することにより開発者を検索する手法を提案する.4 つの OSS プロジェクトのメーリングリストアーカイブを対象として提案手法の評価実験を行った結果,プロジェクトによってばらつきが見られるものの,提案手法により 61%~100%の精度で開発者を検索できることが分かった.
研究論文

[経験論文]リスク構造化を用いたリスクマネジメント手法の提案と効果分析 ~「未来予想図」を用いたリスクマネジメント PDCA サイクル~
水野 昇幸 (TOC/TOCfE 北海道), 安達 賢二 (株式会社HBA)
要旨:
ソフトウェア開発規模が大きくなり,プロジェクト型で開発することが一般的になっている.不確実性を伴うプロジ ェクト活動では,リスクを想定して管理することは重要である.しかし,リスクマネジメントは技術や経験が必要と言われ,現場でリスク対応が行われない場合もある.
本論文では,リスクマネジメントにて発生しやすい問題を解決するため,リスクを構造化した「未来予想図」を用いた手法を提案する.また,模擬プロジェクトとなる「折り紙」ミッションにて,本手法の効果があることを確認した.
経験論文

個と組織の成長

論文奨励賞
[研究論文]システム理論に基づくモデリングと質的研究を併用したソフトウェアプロセス教育の動機づけシナリオ改善
日下部 茂 (長崎県立大学), 梅田 政信, 片峯 恵一 (九州工業大学), 石橋 慶一 (福岡工業大学)
要旨:
パーソナルソフトウェアプロセス(PSP)のトレーニングコ ースを大学で実施する際の改善の取り組みについて述べる.これまでの取り組みで,受講生の動機づけに着目し,動機付けプロセスの標準状態遷移モデル(後に実践的状態遷移モデルに改称)を用いていた.そのモデルは,組織論的期待モデルをベースに定義した基準状態遷移モデルの拡張したもので,PSP 受講者を状態機械とみなし,動機づけに関わる状態と操作により動機づけプロセスを定式化している.このモデルにより,PSP に関する知識やスキルの導入から定着の成功や失敗に至るまでの過程の形式的な表現が可能となった.次の課題として,状態遷移機械としてモデル化された学生の状態遷移が実際に望ましいものとなるような指導を行う必要がある.システム理論に基づく STAMP/STPA と質的研究アプローチにより,このような課題を解決することについて提案する.
研究論文

最優秀発表賞
[事例報告]現場に寄り添った教育が品質を支える ~ディスカッション教育に込めた想い~
渡辺 聡美 (富士通エフ・アイ・ピー株式会社)
要旨:
運用部門のヒューマンエラー防止の取り組みは他業界のナレッジを取り入れ,成熟度向上を図ってきた.しかしヒューマンエラー撲滅は難題であり,時折,品質問題は発生する.また,件数こそ減少しているものの1件辺りの対応負荷は増加しており,負のコストは横ばい状態ともいえる.根底にはコミュニケーション不足やOJTが有効に機能していないという問題があった.今回の事例報告では,この状況を打破するために立ち上げた「ディスカッション教育」を紹介する.
要旨
事例報告

[事例報告]勉強会を活用した組織成長モデル ~活動2年目の成果と課題~
伊藤 修司, 山口 真, 豊田 圭一郎 (SCSK株式会社)
要旨:
ソフトウェアシンポジウム 2017 にて紹介した,「参加型勉強会を活用した組織成長モデルの事例報告」について,活動 2年目で組織はどう変わったのか,継続的な活動による成果と課題を事例として報告する.
要旨
事例報告

要求工学

論文奨励賞
[研究論文]要求獲得のためのヒアリングにおけるゴール指向要求分析の活用 ~「ゴール指向 Lite」の提案~
菅原 扶 (株式会社インテック), 室井 義彦 (DIC株式会社)
山口 俊彦, 山崎 哲 (テックスエンジソリューションズ株式会社)
石川 冬樹 (国立情報学研究所), 栗田 太郎 (ソニー株式会社)
要旨:
我々は,ソフトウェアシステム開発プロジェクトにおける要求定義での課題解決のために,新たな方策「ゴール指向 Lite」を提言することにした.従来からある要求獲得手法の「ゴール指向要求分析」の本質だけに注力することで,迅速かつ簡易に実施できる方策として「ゴール指向Lite」を創出した.
実験として仮想の業務システム開発プロジェクトにおける要求定義での「ゴール指向 Lite」適用有無を比較検証したところその適用優位性が確認できた.
研究論文

[事例報告]Applying PReP Model to a Service Development Process
木ノ内 浩二 (株式会社ウェザーニューズ)
要旨:
Before trying the PReP-based RD process, we only had a basic framework for process definition for service developing process as shown on the left side of Fig.1. The lack of a more comprehensive framework resulted in dependency upon the competence of the person in charge of the project, causing inconsistency in the quality of requirement definition and risking traceability between service contents and system requirements. In order to win an entry into a new business in the EU market, we decided to implement the PReP-based RD process to improve the issues in both the service requirement and the system development processes.
要旨
事例報告

[経験論文]要求記述のスキル不足に対する SRS 記述ガイドの有効性評価
不破 慎之介, 山田 ひかり (株式会社デンソークリエイト), 蛸島 昭之 (株式会社デンソー)
要旨:
ソフトウェア開発の現場では人の経験や知識に頼った開発が通用しなくなりつつあり,人に依存しない開発の仕組みが求められている.ソフトウェアの開発経験が浅い担当者(以降,非熟練者と呼ぶ)であっても一定水準の品質で要求仕様書(SRS)を記述できるようにするための仕組みとして,SRS の記述ガイドに着目する.
本経験論文では,SRS の記述ガイドを参照する非熟練者と,ガイドを参照しない熟練者の SRS の品質の比較評価を行う.評価は,評価基準に基づいた定量的評価と,第三者の主観による定性的評価の両面で評価する.非熟練者の SRS の品質が熟練者のものと比べ遜色ない結果となっていることで記述ガイドの有効性を証明する.
経験論文

Future Presentation (1)

[Future Presentation]問題提起:提案依頼書(RFP)に含まれる「無理難題」を話題にして
神谷 芳樹 (みたに先端研),門田 暁人 (岡山大学)
要旨:
ここ 10 年余,IPA/SEC や大学の情報科学研究科でソフトウェア・エンジニアリングに関する調査・研究に従事してきた.その中で,地方自治体など公的な機関による ITシステム構築に関する提案依頼書(RFP)のいくつか(公開資料)に接し,詳細に評価する機会があった.そこには筆者らの経験してきた先端的なソフトウェア・エンジニアリング研究とはあまりにも乖離した驚きの世界があった.
そこではじめに一つの典型的な要求仕様書を紹介しながら問題提起の一文を Web サイトに寄稿し[1],次いで,複数の提案依頼書を評価し,ジャーナル論文として寄稿した[2].
本論ではその経緯をあらためて整理し,その後の推移とあわせて若干の考察を示した.
Future Presentation

Future Presentation (2)

[Future Presentation]システム思考のモデリングはこれからのソフトウェアプロセスに有効か?
日下部 茂 (長崎県立大学), 岡本 圭史 (仙台高等専門学校)
要旨:
ソフトウェアの多様な利活用が進み,ソフトウェアのライフサイクルにおいて実世界や様々なシステムとのつながりを考慮することが必要となっている.筆者らはシステム思考のモデリングはこれからのソフトウェアプロセスに有効と考え,研究レベルのいくつかの取り組みを行っている.本フューチャープレゼンテーションでは,これまでの取り組みを紹介し,システム思考のモデリングはこれからのソフトウェアプロセスに本当に有効かの議論を行いたい.
Future Presentation

不具合予測

[研究論文]ソフトウェア不具合予測への画像分類手法の適用
廣瀬 早都希 (京都工芸繊維大学 大学院工芸科学研究科 情報工学専攻)
水野 修 (京都工芸繊維大学 情報工学・人間科学系)
要旨:
ソフトウェアの品質を確保することはソフトウェア開発において重要である.そして,ソフトウェアの品質を保証するためには,ソフトウェアに含まれる不具合を早期に発見する必要がある.その課題に対し,本研究ではソフトウェアの不具合予測を行うシステムの試作を行なった.本研究では,ソースコードの変更点のテキストデータを画像化し,機械学習の 1 つであるニューラルネットワークを用いて画像分類を行うことで,ソースコードに不具合がふくまれるか否かを分類する手法を提案する.その手法において,全結合ニューラルネットワークと畳み込みニューラルネットワークの 2 種類のモデルを作成し,学習・分類を行なった.その結果,全結合ニューラルネットワークでは,学習が正しく行われなかった.また,畳み込みニューラルネットワークでは,学習は行われたものの過学習となってしまったため,汎化性能がなく,画像分類ができなかった.今後,ネットワークの構成方法などを変更することで,モデルの改良を目指していく.
研究論文