ソフトウェア・シンポジウム 2015 基調・招待講演

オープニングキーノート

タイトル: 『データセンターとソフトウェア開発 』

講演者: さくらインターネット 代表取締役社長 田中 邦裕 氏

概要: ソフトウェア開発ではクラウド環境が必須のものになっています.そのためのクラウド環境では拡張性や耐久性など多くの要素が求められています.さくらインターネットは国内有数のデータセンター事業者としてとして,レンタルサーバ,専用サーバ,VPS,クラウド,更にはハウジングサービスやリモートハウジングを提供しています.その中で,北海道の冷涼な気候を100%活用する外気冷房や,高電圧直流(HVDC)給電システムの導入により,大幅なエネルギーやコストの削減を可能にした石狩データセンターを立ち上げました.世の中がどんどんクラウド化に向かう中で,さくらインターネットが Google や Amazon や Microsoft Azure に対して国内企業として何ができるかを話したいと思います.

クロージングキーノート

タイトル: 『和歌山から宇宙へ』

講演者: 和歌山大学観光学部 /「教養の森」センター 教授 尾久土 正己 氏

概要: 和歌山大学では「研究」よりも「教育」や「利用」を前面に出した宇宙教育研究所 (IfES) を立ち上げ,様々な取り組みを行っている.学生たちによるハイブリッドロケットや成層圏気球の打ち上げ,格安パラボラアンテナによる超小型衛星の実用的な運用などである.これらの取り組みには,2001 年に学生の主体性とチームワークを伸ばすために設立した協働教育センター (クリエ) の経験が生きている.本講演では,和歌山から宇宙を目指す,他大学の宇宙研究とは一味も二味も違う IfES の取り組みについて紹介する.

フォーラムセッション 1

タイトル: 『アンチユビキタス・テリトリーマシン(偏在的居場所機械)」としての人間』

講演者: 武庫川女子大学 情報メディア学科 教授 藤本 憲一 氏

概要: ネットワークやソフトウエア技術の発達で,「ユビキタス社会」の実現が喧伝されて久しい.

その一方で,ARやGPS技術に裏打ちされたモバイル技術の普及によって,人類はますます「アンチユビキタス・テリトリーマシン(偏在的居場所機械)」としての本質を露呈し始めているのではないか.

若者の生態(ぼっち飯など)観察や,SF小説(藤井大洋『ジーン・マッパー』など)のイマジネーションを援用しつつ,いかに21世紀の現代人が,場所や空間,身体性にこだわる文明の中に生きているか,展望してみたい.

はたして,あれほど称揚された「ユビキタス社会」は,幻のユートピアに過ぎなかったのだろうか.

添付資料(1) 『スマートモブズ、ポケベル少女、ながらモビリズム』

添付資料(2) 『SHIKOHINの距離学 -若者の“ソトごもり”の謎を解く』

フォーラムセッション 2

タイトル: 『メンバーの成長を促進する組織マネジメント』

講演者: 三菱電機 細谷 泰夫 氏

概要: 私は現在若手中心のメンバーで構成される組織のマネジメントをしています.システムにおけるソフトウェアの比重が高くなっている現状に対応していくために,若手の間にソフトウェア開発経験を積んで,システムへの要求がどのようにソフトウェアとして実装されるか,どのくらいのコストや期間がかかるのかを判るようになってもらうというミッションがあります.

本講演では,このような組織をマネジメントする上で,私が重視していること,「実験的アプローチによる現場改善」を中心とした実践していることを紹介します.