FORCE2018 プログラム

この写真は、千葉県のWebサイトから引用しています。
千葉工業大学の通用門

■日時:2018年12月15日(土)~16日(日)
■場所:千葉工業大学
    〒275-0016 千葉県習志野市津田沼2-17-1
    津田沼駅 駅前(南口)徒歩1分<東京駅から快速で28分>
    アクセス
■会場:611講義室(6号館1階)
    大きなビル(1号館、2号館)の間が6号館
     キャンパスの地図

■プログラム:PDF版

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■プログラム(概要)
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12月15日(土)

12:30~13:15 受付

13:15~14:45 オープニング,基調講演
        「合意形成手法D-Caseの研究および普及活動
         -研究室の立ち上げからこれまでの4年間の活動を通して-
         松野裕(日本大学理工学部応用情報工学科)

15:00~15:20 特別セッション
        「組込みシステムにおけるUIデバイスを考慮したUI設計指針の検討」
         外山祥平、平山雅之(日本大学理工学部応用情報工学科)

15:20~16:20 セッション1 (2件) 調査報告
        「ファンクションポイントについての研究論文の系統的レビュー
         山田 涼太,柗本真佑,肥後芳樹,楠本真二(大阪大学)
        「教材の信頼性に関する、受講者のクレームからの考察
         毛利幸雄(Professional Instructor & Facilitator Training、
              大阪大学大学院情報科学研究科 非常勤講師、
              徳島大学 非常勤講師)

16:30~18:00 セッション2 (3件) 品質(1)
        「ロジスティック回帰分析を利用した組み合わせテスト結果
         からの不具合誘発パラメータ組み合わせ特定法の改善
         西浦生成(産業技術総合研究所,京都工芸繊維大学)
         崔銀惠(産業技術総合研究所)
         水野修(京都工芸繊維大学)
        「変数名の紛らわしさが及ぼす影響に関する考察
         阿萬 裕久(愛媛大学)
        「階層的な制御構造をもつシーケンス図のプロセス表現
         井川直,横川智教,有本和民(岡山県立大学)

12月16日(日)

8:30~9:00 受付

9:00~10:30 セッション3 (3件) 保守
        「ソフトウェアエンハンス開発におけるソースコード変更調査の改善
          菊地奈穂美(沖電気工業株式会社)
        「ソフトウェアメンテナンスプロジェクトチームの
         心理的安全確保に向けたCAST適用の事例
         三輪東(SCSK株式会社)
        「ソースコード要約におけるメソッドの抽出的要約手法の提案
         小林勇揮,水野修(京都工芸繊維大学)

10:45~11:45 セッション4 (2件) 品質(2)
        「顧客と共創する継続的品質改善活動
         伊藤修司(SCSK株式会社)
        「Cross-Project Defect Prediction手法を過去プロジェクトデータ
         に用いた不具合モジュール予測の調査
         天㟢聡介(岡山県立大学)

11:45~12:00 クロージング

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■プログラム(詳細版)
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12月15日(土)

12:30~13:15 受付

13:15~14:45 オープニング,基調講演
        「合意形成手法D-Caseの研究および普及活動
         -研究室の立ち上げからこれまでの4年間の活動を通して-」
         松野裕(日本大学理工学部応用情報工学科)
        <概要>
        D-Caseはシステム開発における合意形成手法として、CREST DEOSプ
        ロジェクトのサブプロジェクトとして2009年頃より開始された。
        D-Caseは欧米で規格認証の際に、安全性保証のために要求されるセー
        フティケースをもとにしている。D-Caseはその基本的な考え方(主
        張、議論、前提、証拠)を、日常の開発現場で導入し、ミスコミュ
        ニケーションをなくし、ステークホルダ間の合意形成を促進する手
        法を目指している。
        講演者は、2015年4月に日大理工学部に異動して以来、学生、
        企業の方と共同でD-Caseの研究開発を行ってきた。本発表では学生、
        企業とのかたとのコミュニケーションも交えながら、現在のD-Case
        の研究開発を紹介する。

15:00~15:20 特別セッション
        「組込みシステムにおけるUIデバイスを考慮したUI設計指針の検討」
         外山祥平、平山雅之(日本大学理工学部応用情報工学科)

15:20~16:20 セッション1 (2件) 調査報告
        「ファンクションポイントについての研究論文の系統的レビュー
         山田 涼太,柗本真佑,肥後芳樹,楠本真二(大阪大学)
        <概要>
        ファンクションポイント法(以下FP)とは、ソフトウェアの各機能の
        複雑さを元にその開発規模を計測する手法である。1978年に提案さ
        れてから、FPは「ユーザ視点での機能計測」「開発言語に依存しな
        い」等の点で重要視されている。
        一方でFPに対し様々な問題点が指摘されており、それらに対しこの
        40年間で研究が行われてきた。FP研究における現在の進捗を収集し
        現在の課題と今後の研究の方向性を明らかにする必要があると考え、
        本研究ではFPについての研究論文に対する系統的レビューを実行した。
        評価の結果、今後は「多様な開発手法やアプリケーションへのFPの
        適用」と「計測ルールの是正」に関する研究が行われると考察した。

        「教材の信頼性に関する、受講者のクレームからの考察
         毛利幸雄(Professional Instructor & Facilitator Training、
              大阪大学大学院情報科学研究科 非常勤講師、
              徳島大学 非常勤講師)
        <概要>
        7年間のenPiTにおけるファシリテーション教育にて、ほぼ同一の教
        材・カリキュラムにて実施してきたが、教材に対する受講者の評価
        には一定数のクレームが毎回存在している。そのクレームの変遷と
        教材の信頼性に向上のための対応について報告する。

16:30~18:00 セッション2 (3件) 品質(1)
        「ロジスティック回帰分析を利用した組み合わせテスト結果
         からの不具合誘発パラメータ組み合わせ特定法の改善
         西浦生成(産業技術総合研究所,京都工芸繊維大学)
         崔銀惠(産業技術総合研究所)
         水野修(京都工芸繊維大学)
        <概要>
        組み合わせテストの結果から、テストの失敗を引き起こした入力パ
        ラメータの組み合わせ(FI)を特定しようとするFI特定問題がある。
        これを分析的に解くアプローチとして、テスト結果から各組み合わ
        せの不審度を独自の計算式で計算する既存手法がある。本研究では、
        その不審度をロジスティック回帰分析によって得られる分析値によっ
        て置き換えることで精度を上昇させる手法を開発した。またこの分
        析値が、求めるべきFIの部分集合の推定にも利用できることを発見
        し、これを利用して探索空間を減らしつつ効率的にFIを推定する手
        法を開発した。評価には6つの実在するシステムモデルと、人工的
        に設定したFIを用いて作成した合計124000通りのテスト結果を用いた。

        「変数名の紛らわしさが及ぼす影響に関する考察
         阿萬 裕久(愛媛大学)
        <概要>
        変数の名前の付け方は,プログラマの好みや習慣に依存する
        場合も多く,どういった名前をつけるべきかについては,さまざな
        規約やガイドラインがあり,一部では実証的な研究も行われている.
        しかしながら,そういった取り組みは変数一つ一つの名前の付け方
        に関する議論であり,複数の変数が登場する場合の互いの関係に
        ついてはほとんど議論されてきていない.
        本稿では,紛らわしい(よく似た)名前が登場する場合に,そのよ
        うな対の存在とコードの品質の間にどういった関係がありそうかに
        ついて,実証的研究の結果を報告する.

        「階層的な制御構造をもつシーケンス図のプロセス表現
         井川直,横川智教,有本和民(岡山県立大学)
        <概要>
        本研究では,UML モデルの整合性検証を目的とした,シーケンス図
        のプロセス表現について示す.
        これまでに,UML モデルを CSP を用いてプロセス表現することで,
        モデル検査ツール FDR を用いてその整合性を検証する手法につい
        て開発を進めてきた.
        本研究では,特に結合フラグメントによる階層的な制御構造をもつ
        シーケンス図を対象としたプロセス表現について述べる.

12月16日(日)
8:30~9:00 受付

9:00~10:30 セッション3 (3件) 保守
        「ソフトウェアエンハンス開発におけるソースコード変更調査の改善
          菊地奈穂美(沖電気工業株式会社)
        <概要>
        既存のソフトウェアに機能追加や改良する形での開発が,実務にお
        いては多い.
        ソースコードの変更箇所の調査が不十分な場合,予期せぬ不具合を
        作りこんでしまう危険性がある,そのため,変更影響の調査は品質
        確保に重要である.
        今回の発表では,ソースコードに対する変更調査作業を,調査の網
        羅性,正確性に加えて,効率的に行うことを目的として,実際の制
        御系のシステム開発において改善した事例を報告する.具体的には
        ツールを活用して行うが,人による調査方法と比べて,調査効率向
        上を実現する独自の仕組みによって実現したことが特徴である.実
        際に中規模以上システムでの開発で適用した効果を報告する.

        「ソフトウェアメンテナンスプロジェクトチームの
         心理的安全確保に向けたCAST適用の事例
         三輪東(SCSK株式会社)
        <概要>
        Googleのプロジェクト・アリストテレスやモダンアジャイルの
        Anzeneeringのように、ソフトウェア開発のプロジェクトやプロセ
        スでは心理的安全が重要とされている。本発表では、ソフトウェア
        メンテナンスプロジェクトチームの心理的安全確保に向けたCAST適
        用の事例を紹介する。紹介する事例では、発注者と受注者に加え、
        受注者に協力会社が存在する。紹介する事例のドメインでは、多重
        並行的に複数のメンテンナンスプロジェクトが実行されることが多
        く、一次受注者が協力会社に仕事を依頼する際には、影響調査を入
        念に行ったうえで、該当メンテナンスプロジェクトで追加修正の対
        象とする部分を明確化する。今回紹介する事例では、そのように明
        確に指定した範囲外の、想定されていない修正が行われ、しかもそ
        の修正部分が検証されずに協力会社から成果物が納品される事態が
        発生した。このような事態を受けて行われた最初の調査では、一次
        受注者側の単純なスキルや知識不足に起因したものだという結論が
        報告された。その結果、一次受注者から協力会社への信頼関係は崩
        れ、プロジェクト組織内での心理的安全は損なわれてしまった。プ
        ロジェクトリーダはそのような調査結果に疑問を持ち、システム理
        論に基づくSTAMPでモデル化を行いCASTの分析を行った。CAST分析
        により、一次受注者側も含めた関係者の不適切な想定に起因して、
        本来は機能するはずのチェック機構が機能していなかったことが判
        明し、一次受注者と協力会社との間の信頼関係を回復させることが
        出来た。

        「ソースコード要約におけるメソッドの抽出的要約手法の提案
         小林勇揮,水野修(京都工芸繊維大学)
        <概要>
        機能実装の為にコードを読む人や新しくプロジェクトに参加
        してきた人が未知のコードを読む際に,そのプロジェクトの複雑さ
        からコードを理解するのに時間が掛かり,生産性が落ちるといった
        問題があります.その問題を解決する為に自然言語処理の技術をソー
        スコードに利用してソースコードを要約するという研究があります.
        そこで私の研究では既存の自然言語要約手法をソースコードの特徴
        を活かすように改良することでメソッド単位での抽出的要約手法を
        考えました.

10:45~11:45 セッション4 (2件) 品質(2)
        「顧客と共創する継続的品質改善活動
          伊藤修司(SCSK株式会社)
        <概要>
        ソフトウェア開発の現場では、様々な品質改善活動が行われている
        が、その多くは継続されないまま終わる。継続できない理由の一つ
        は、顧客を巻き込んだ活動になっていないことにあると考えられる。
        顧客と共有しながら進めることで、コストや納期を意識して活動を
        進めることができる。また、時には目をそらしたくなるような課題
        や不安と正面から向き合うことができる。顧客を巻き込んで継続的
        な改善活動を実践している組織の事例を紹介する。

        「Cross-Project Defect Prediction手法を過去プロジェクトデータ
         に用いた不具合モジュール予測の調査
          天㟢聡介(岡山県立大学)
        <概要>
        過去プロジェクトを用いた不具合モジュール予測におけるCPDP手法
        の適用可能性について調査した.
        20種類のCPDP手法を用いた評価実験の結果,一部のCPDP手法は予測
        精度改善に寄与することが明らかとなった.
        また,過去プロジェクトのデータは多い方がよいこと,他のプロジェ
        クトのデータも合わせて利用することでさらに精度が改善される可
        能性があることが明らかとなった.

11:45~12:00 クロージング