教育分科会月例会
Regular Meeting

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教育分科会 2009年2月度月例会レポート

1.開催テーマ・主旨(開催案内より)

■ テーマ 資格試験の実施形態に関わる戦略的な意思決定 ― AHP による合理的な支援の試み ―


■主旨 

 近年の技術発展に伴い、資格試験の様々な実施形態が可能になっていて、測定理論の観点からは統計的な方法論による比較評価の研究(Comparability Study)が活発にされています。一方、資格試験は「能力を測定する仕組み」であると同時に、世の中では「能力を証明する機会」 としての役割も期待されることが少なくありません。その意味で、資格試験の実施形態を比較し選択する場面では、「測定する仕組みとしての品質」 だけでなく、「証明する機会としての品質」も大切な評価軸となるはずです。

 今回のSIGEDU定例会の話題として、幾つかの典型的な資格試験の実施形態の中から1つの実施形態を選出するという状況において、主催者の業務負荷や受験者の利便性などの主観的になりがちな評価軸を含めた意思決定の過程を合理的に支するために、AHP(Analytic Hierarchy Process、階層分析法)の適用を検討したいと思います。

今回の定例会では、話題提供者が一方的に情報提供することは考えておりません。話題提供者からは、問題の背景、AHPの概要の紹介、意思決定問題の階層化の話を前半でしますので、後半は参加者の皆さんより発展的なご意見をいただければと考えています。また、もし参加者の中に ISO24773 Software engineering - Certification of software engineering professionals - Comparison framework の話題を提供していただける方がいらしたら、ぜひお願いいたします。

■ 日時: 2009年2月18日(水) 18:30〜20:00

■ 場所: SEA会議室(四谷三丁目) SEA会議室は廊下寄りに変わりました。

http://www.sea.or.jp/Maps/Yotsuya.html

■ 話題提供者: 劉 東岳  (プロメトリック株式会社)

■ 月当番: 平野 正喜 (ランドッグ・オーグ)

■ 参加費: ¥1,000(SEA会員、一般、学生とも)


2.話題提供者の感想

 「このような機会をいただいた上に、参加していただいた皆様からは積極的にご質問までいただき、ありがとうございました。終わってから思えば、90分という時間制限でAHPの紹介までを話題に含めるのは欲張りすぎだったかと感じています。今回の話で懲りていらっしゃらなければ、また別の機会に続きの話、あるいはAHP自体の話題で、皆さんと意見交換をさせていただければと思います。今後とも、よろしくお願いいたします。」 (劉 東岳 プロメトリック株式会社)

3.参加者の感想

<月当番の平野さん>
 「資格試験への挑戦を支援する立場の私には非常に興味深い内容でした。
AHPの話に加えて実務レベルの課題について改めてより深く討論したいですね。」

<参加者のAさん>
 「お話を聞きながらAHPの手法はシステム分析にも応用できるのではと思いを巡らせておりました。
非常に好奇心を刺激された時間でした。」

<参加者の米島さん>
 「資格試験というと、資格保有者の実力と実務における能力との相関がどの程度あるかといったことが念頭に浮かびますが、資格取得を企業内の推進活動とする立場からは、そうした相関とは別に、資格取得を目指して学習し関連知識を身につけること自体に意味があると思っています。
 一方、資格取得を目指す当事者にとっては、自分のキャリア形成の一部として、また会社内外からの評価に対する自己アピールの一つとして意味を持つことになります。
 個人的には、テスト問題が該当分野技術の実務からどのように抽出され、実務遂行能力を測定する上での精度向上のための工夫がされているかに興味がありましたが、本日の話は、それとは別に、資格認定を運営する側が、如何に自分の資格認定が正当であるか、また正当なものにするために各種確認を行っているかを説明するためにAHPという手法を用いるというテーマでした。別の機会に前者の話題について議論する場を期待します。」


4.参加者 20名(話題提供者、月当番含む)