教育分科会月例会
Regular Meeting

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*** sigedu 2004年12月度月例会 開催レポート ***


1.日時・場所: 2004年12月15日(水)18:30−20:30
  四谷三丁目 SEA会議室

2.テーマ: 「職業としての大学教員を分析する」

 ※ 配布資料・参考情報

  ●  「職業としての大学教員を分析する」(pdf 9KB)

  ●  「大学教員に求められる職業能力と能力開発プログラム(抜粋)」(pdf 168KB)

(森先生の事前予告)
「なぜ大学教員は教育者としてかくも遅れているのか」を中心にして、「今さら
教育でなんとかできるか」を論じてみたいと思います。
気楽な会合ということばを頼りに話の組み立てを検討してみたいと思います。

3.話題提供者:
森 和夫 (教授 東京農工大学大学教育センター 教育評価・FD部門)


4.参加者
 1.篠崎さん(NECソフト)
 2.堀内さん(日本ユニシス・ラーニング)
 3.畑田さん(ジェック)
 4.君島さん(防衛庁海上幕僚監部)
 5.廣澤さん
 6.平野さん(ランドッグ・オーグ)
 7.森泉さん(リコーテクノシステムズ)
 8.橋本さん(青山学院大学)
 9.岩田さん(つうけんアドバンスシステムズ)
10.近藤さん(東京大学 生産技術研究所)
11.上原さん(日本コンピュータ・ダイナミクス)
12.松原さん(InfoMap)
13.新井さん(職業能力開発総合大学校)
14.中山さん(富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ)
話題提供者:森 先生(東京農工大学)
月当番: 米島(NECテレネットワークス)


5.レポート



★ 君島さんのレポート

 森和夫先生の発表を聴きました。何から報告してよいか。1月28日の教育フォー
ラムに参加するのが一番です。
 お宝鑑定団的には「いい仕事していますね」でした。水準が高く、TQMみたい
にバランスがよく、信頼できる先輩が見つかったという感じです。プレゼン資料
の写真や既存資料抜粋の選び方が気がきいています。
 学部ごとの特徴の話しもおもしろかった。カウンセリング講座や心理学講座の
内容が異常心理などから始まるという講座設計のまずさの話題も出ました。おそ
ろしいですね。
 森先生の水準は高いですが、発想はSIGEDU仲間と一緒なので指摘のどれもが全く
同感でした。看護学教育のまずさの話題もありました。
医学・看護学教育方法は日本の中では中途半端に水準が高いので、その評価が大
変です。高度さと未熟さが混在しています。

 こちらからもいろいろアイデアを出しました。でも民間人をFDの助言者として
招くという発想は大学にはないですね。世間知らずだし、プライドが高いから。

★ 米島のレポート

 昨夜の月例会は参加申込み以上の16名の参加で大変盛り上がりました。12月の
月例会としては過去最高だったでしょうか。懇親会も「すず吉」に11時ぐらい
までねばり、話に花が咲きました。さすがに3次会まで行く元気のある人は
いなかったようです。

 君島さんから早速抄録が出ましたが、私からも簡単にお知らせします。小さいですが
携帯カメラでとった写真も付けます。

まず(私の感想)です。

FDと言う言葉は以前から聴いていましたが、その実践活動をはじめて目にして、
正直、大学教育も少しずつ変わるのかなぁ(=大学もいよいよ大変になるな=大学も
ようやく生産性が問われるようになったなのかぁ)と、明るい希望が見えてきたような
気がしました。学校教育も大学が変われば高校、中学、小学校も変わる可能性も
ありますしね。

 森先生は、sigeduには勿体無いような(笑い)、とても温厚で、忍耐強い紳士で、
かつ科学的で、多くの部分が共通言語として理解できる方でした。日頃舌鋒鋭い
君島さんも共感するばかりで、矛先を向ける隙も暇もないくらいでした。

 皆さんも新春フォーラムを楽しみにしていてください。

 以下覚えている限りのレポートです。

1.FDとは何か、何が求められているのか、大学評価基準

FDの意味、定義の紹介。
 森先生は、FDを単に「講義の改善」とする狭義のものではなく、広島大学高等教育
研究開発センター長の有本氏と同じく広義にとらえ、教員個人だけでなく、大学組織全体
での取り組みでなければならないとの立場を明らかにされました。
*有本氏(http://rihe.hiroshima-u.ac.jp/html/center_011.html)

 また参考に、森先生ご自身は関係しておられないが、文部科学省の大学審議会の答申
からの引用によるFDの紹介もありました。平成9年、10年、11年、12年と
審議会メンバーによる大学改革への熱い思いのこもったメッセージも紹介されました。

2.大学の教育、何がおかしいか
 現状の大学の問題点、不思議な点などを、組織、教員、学生の立場からみた状況で
説明されました。徳島大学の学生のアンケートから「良い授業」「悪い授業」各100選の
の引用があり、「(先生が)遅刻してくる、服装がだらしない、マナーが悪い」などは
わが身を振り返り笑って済まされないものがあり、印象的でした。みんな笑いましたが、
きっと照れ隠しなのでしょう。

3.大学教員の教育は可能か、何が困難か
 単に否定的な側面だけでなく、実現に向けたアプローチの仕方が示されました。職業能力
開発のプロはさすがです。鍵は、「プライドと自尊心をうまく使う」だったかな?

4.大学の機能とは、大学教員の業務とは
 大学の機能、教員の機能、業務を、(1)管理運営機能、(2)学生指導、(3)研究、
社会活動など、の分類ごとにさらに細かう展開した相関図や、教員歴の年次別に分けた教員の<
能力開発テーマ表などがとても参考になりました。

 時間が足りず、以下は駆け足で紹介されました。20:30までSEA会議室で話題が
尽きず、議論は懇親会まで持ち越しました。
5.FDこそ実践が良く似合う−「講演型から実践型へ」で得たものは何か
6.徳島大学全学FD推進プログラムの概要(プログラムの意図と推進体制)
7.教員の職業生涯を支える能力開発システム

以上 (米島記)