ソフトウェア・シンポジウム 2018
ワーキンググループ/チュートリアル

羊ヶ丘の写真

ソフトウェア・シンポジウム 2018 で 13 年目を迎えるワーキンググループでの活動は,ソフトウェア技術にまつわるさまざまなテーマや課題に関する発表,議論を行うことで,参加者やグループがそれぞれの方向性を見いだしていくための場です.昨年から継続して,参加者のさまざまな要望に応えるために,ワーキンググループ (Working Group : WG) の他に,チュートリアル (Tutorial Session : TS) も用意しました.

昨年と同様,今回もワーキンググループに参加しないという選択肢はありません.特定のテーマが決まらない方は,WG14「ソフトウェア開発の現状と今後の発展に向けたディスカッション」を選択してください.このワーキンググループでは,特定のテーマを決めず,参加者からの発表をベースにしたディスカッションを行います.

また,今年は,参加するワーキング(メイン)と実施報告を聞くワーキング(レビュー)を選択できるようにしました.2つ選択する狙いは,次のとおりです.

ソフトウェアシンポジウムでは,特定の話題について,ディスカッションを通じて認識を深めるワーキングが例年、活発に行われています.皆様も,例年,どれか一つに参加され,2日間にわたる議論を通じてより高い見地に到達されていることと思います.ところで,いろいろと興味深いワーキングが毎年開催されておりますが,自身が参加したもの以外はその内容を知ることが困難です.通常行われる最後の報告の全体セッションは時間の制約もあり,かならずしも躍動感のある議論の内容を肌身で感じることができません.そこで,2日間のワーキングに参加された以外の方も2日間の議論の最後のまとめの時間帯に参加できれば,ソフトウェアシンポジウム参加者にとって,有益な情報を得れるチャンスが増え,ソフトウェアシンポジウムに参加した意義がより増加するのではと考えました.

各ワーキングリーダの皆様には,最後の時間帯にまとめをお願いすることになり,お手間をかけて申し訳ありませんが企画の主旨をご理解の上,ご協力いただければ幸いです.

上記の試みを反映したタイムテーブルは次のとおりです.

※ 6/7(木)は,21時まで会議室を使うことができます.
  終了時間は,それぞれのグループで決めてください.

WG名前
1 (EF) 未来に活躍できるソフトウェアエンジニア
2 (FM) 形式仕様言語を用いたモデリング
3 (HG) 開発をもっと楽しく! ゲーミフィケーションを使った開発ハック
4 (ME) Software Maintenance and Evolution,現場に笑顔と「ありがとう」をもっと!
5 (OP) 「組織パターン」を使って組織運営を振り返る
6 (OS) OSS のこれまで、いま、これから
7 (PL) プログラマーとして生きることを考える
8 (PS) 新サービス創出のための Model Based アプローチ
9 (RR) 要求技術者の責任と社会システムの狭間
10 (SA) きちんと動くモデルカーを作ってみよう
11 (SC) ソーシャルコーディングとソフトウェア進化
12 (ST) システム思考アプローチでモデリングをやってみた
13 (TS) エンジニアのトリセツ2 ~寿命100年時代:70才まで現役で働けますか?~
14 (XS) ソフトウェア開発の現状と今後の発展に向けたディスカッション
TS名前
1 (SM) ソフトウェア技術者のためのマルウェア入門
2 (TT) 人と人、チームとチームを繋ぐコーディネーターになろう!

(順序不同,英字二文字は略称)

WG1: 未来に活躍できるソフトウェアエンジニア

リーダ: 米島 博司 (パフォーマンス・インプルーブメント・アソシエイツ)

概要:

10年前、20年前と比べて私達の社会環境はどのように変わったでしょうか?
ガラケーからスマホへ、現金から電子マネーへ、磁気テープからフラッシュメモリへといった生活環境 はもちろんのこと、ソフトウェア開発においても、ウォーターフォールからアジャイルへ「開発・品証 ・運用」からDevOpsへ商用製品からオープンソースへUIからUI/UXへ などなど、開発の基盤技術から応用技術まで大きく変化してきました。 クラウドやIoT、ディープラーニングといった社会のインフラの発展にともない、プログラミング言語や OSなどの基盤技術の今後の発展も含め、それらを支えるソフトウェア開発技術も今後ますます変化の 速度が増して行くものと思われます。
こうした技術革新のスピードが激しい現在から近未来において活躍できるソフトウェア開発技術者に求 められる資質、スキルとはどの様なものでしょうか?また、そうした資質やスキルを修得できるために は、学校や大学では何をどのように学べば良いのでしょうか?
数十年前からの技術者不足(人数)はますます深刻化し、片や欧米に比べ独自の創造性の高い製品を生 み出す力が弱い産業構造の現実を改善するにはどのような人材を育成したら良いのでしょうか?
当ワーキンググループでは、学校や大学の教育担当の方々を始め、開発現場の方々を、マネジメント関 係の皆さん、また学生のみなさんなどを交えて、未来に活躍できるソフトウェア技術者について熱く語 らいたいと思います。

参加の条件:

ポジションペーパーを5月31日までに提出してください。

運営方法・備考:

参加者全員が自分のテーマに沿って実践例や構想などをプレゼンし、全員で議論するワークショップ形式とします。持ち時間は参加者数に応じて配分します。

その他:

他のワーキンググループからの飛び入り参加も歓迎します。

メーリングリストのアドレス: ss2018-ef @ sea.jp (ログを取得する方法については,こちらをご参照ください.)

WG2: 形式仕様言語を用いたモデリング

リーダ: 張 漢明 (南山大学),酒匂 寛 (デザイナーズデン)

概要:

形式仕様言語を用いて仕様を記述すると、仕様に対して構文・型検査やテストを行うことにより、プログラムに対する同様な品質を保証することができます。では、仕様とプログラムの違いは何でしょうか。仕様は実現方法に依存しない抽象的な記述です。ある観点から開発対象のモデルを記述することが仕様記述の本質です。本ワーキンググループでは、事例を用いて、形式仕様言語を用いたモデルの記述について議論し、実際のソフトウェア開発者と研究者の間て、実用的な仕様記述について考えたいと思います。形式手法の経験がない方でも、事例を通して、仕様記述・モデリングについてじっくり討論します。

参加の条件:

ソフトウェア開発における形式的なアプローチに関心がある方。

運営方法・備考:

形式手法の経験者の方には、何名かの方に、事前に事例の記述をお願いする予定です。未経験の方でも、事例の記述は大歓迎です。当日は、事例を通して、仕様・モデリングについて議論します。モデル指向の言語を用いた形式手法 VDM(https://fmvdm.org)の簡単なチュートリアルも予定しています。

その他:

ソフトウェアテスト技術振興協会で過去に実施されたテスト設計コンテストの事例(自動販売機)を用いる予定です。 https://aster.or.jp/business/contest/doc/2015tdc-v1_1.zip

メーリングリストのアドレス: ss2018-fm @ sea.jp (ログを取得する方法については,こちらをご参照ください.)

WG3: 開発をもっと楽しく!ゲーミフィケーションを使った開発ハック

リーダ: 根本 紀之 (東京エレクトロン)

概要:

開発は辛く苦しいものだと思っていませんか? つまらないと思っているものでも、ちょっとしたゲームの要素を取り入れる(=ゲーミフィケーション)ことで、面白いものに変えていくことができます。 ゲーミフィケーションは「日常生活の様々な要素をゲームの形にする」という「ゲーム化(Gamefy)」から派生し、2010年から使われはじめました。 ゲーミフィケーションの基礎の考え方を学び、日常の開発をさらに楽しくしていく方法を参加者でディスカッションしながら作り上げます。 皆さんの日常の開発に「ゲーム」の要素を取り入れてみましょう。

参加の条件:

運営方法・備考:

ゲーミフィケーションの基礎とソフトウエア開発に応用した例を紹介します。
その後、チームに分かれて日常の開発で面白くないことをゲーム化していきます。

メーリングリストのアドレス: ss2018-hg @ sea.jp (ログを取得する方法については,こちらをご参照ください.)

WG4: Software Maintenance and Evolution,現場に笑顔と「ありがとう」をもっと!

リーダ: 三輪 東 (SCSK,SEA,SERC)

概要:

保守現場の苦労を共有しながら,どうすればより良い現場になり,たくさんの笑顔と「ありがとう」が溢れるようになるのか,皆で考えてみましょう.一つの現場で変えられない現状も,皆で協力し,共感を得られれば,変わっていくかもしれません!

参加の条件:

条件はありません.コミュニケーションを円滑にする目的で,ポジションペーパーの提出をお願いします.簡単なもので構いません.

運営方法・備考:

参加者のみなさまの考えや現場の共有からはいり,現場で解決したい悩みを集めます.その中から一つの現場だけでは変えられない普遍的なテーマを探し出し,どうやったらその現状を変えていけるのか,皆で議論してみたいと思います.

メーリングリストのアドレス: ss2018-me @ sea.jp (ログを取得する方法については,こちらをご参照ください.)

WG5: 「組織パターン」を使って組織運営を振り返る

リーダ: 本多 慶匡 (東京エレクトロン)

概要:

参加の条件:

運営方法・備考:

  1. わたしから「組織パターン」を紹介します。
  2. 参加者が自分の関わる組織運営のはなしをします。
  3. 参加者全員で「組織パターン」を使って、振り返りを行いKPTを出す。
上記 2、 3 を参加人数分繰り返す。

メーリングリストのアドレス: ss2018-op @ sea.jp (ログを取得する方法については,こちらをご参照ください.)

WG6: OSSのこれまで、いま、これから

リーダ: 林 香 (オープンソースソフトウエア協会)

概要:

オープンソースソフトウエア(OSS)は円熟期を迎え、百花繚乱の感があります。一方、利用者にとってのメリットがいまだにあいまいな部分もあり、今後の発展の道が見えにくいところっもあります。
これらを踏まえ、開発者、利用者入り乱れて、OSSの軌跡、今の状況、今後発展の道について議論したいと思います。

参加の条件:

自己紹介プレゼンン

運営方法・備考:

リーダの司会で運営。オープンソースの歴史、現状のプレゼン者を募集し、発表のあと討論。

メーリングリストのアドレス: ss2018-os @ sea.jp (ログを取得する方法については,こちらをご参照ください.)

WG7: プログラマーとして生きることを考える

リーダ: 野村 卓司 (個人)

概要:

システムエンジニアは、普通、サラリーマンである。その為、プログラマーよりシステムエンジニア、プロジェクトリーダーと出世を考える。
一方、ある一部の企業、または、特定のジャンルにおいて、エンジニアを重宝する。現在でいえば、AIの知識を持ったエンジニアである。
技術的には、プロセスは、アジャイルが普及しつつあるが、多くの場合ウォーターフォールである。プログラムを作らなければ動くものはできない。しかし、プロセスの特性によりプログラムを作るより、仕様書を書くことが重視される。
このワーキングにおいて、以下の2点を議論したい。
  1. プログラマーとして生きるためには、エンジニアはどういきればよいか
  2. SSという伝統のあるシンポジウムから業界に発信することは何か

参加の条件:

なし

運営方法・備考:

<事前>
  1. 以下のFacebookのグループに対しアナウンスを行い、意見と参加者を求める
    • 「40歳以上ですがコードを書いています会」
    • 「形式手法」
    • ソフトウエア関係の非公開グループ
  2. 参加者に以下の点についてポジションペーパーの提出をお願いする
    • 現在の仕事
    • 言語について(仕事で使っている言語、興味のある言語)
    • プログラム作成にこだわった為、経験したいやな経験
    • プログラム作成にこだわった為、よかったこと
<当日>
  1. ポジションペーパーの発表
  2. 議論するテーマの決定
  3. 下記の議論を行い、まとめる
    1. プログラマーとして生きるには
    2. で決まったテーマ

メーリングリストのアドレス: ss2018-td @ sea.jp (ログを取得する方法については,こちらをご参照ください.)

WG8: 新サービス創出のためのModel Based アプローチ

リーダ: 田中 康 (奈良先端科学技術大学院大学,(有)ケイプラス・ソリューションズ,高井 利憲 ((株)チェンジビジョン,奈良先端科学技術大学院大学)

概要:

2014年に行われた日本能率協会による「当面する企業経営課題に関する調査」では,「新事業開発」が重要な経営課題として浮上しました.新しい事業,新しいサービスの開発は,企業にとって,さらに重要な課題となっています. 新事業や新サービスの基盤として重要な役割を担うソフトウェア技術者には,従来のような”要求を実現する技術”だけではなく,”何を作るかを決める技術”が求められています.2000年にリリースされたCMMIにおいても,すでに,要件開発プロセスがエンジニアリングプロセス領域として定義されています. 一方で,”何を作るかを決める技術”に関しては,経営分析視点やHCIからのアプローチ,さらにビジネスプロセスモデリングやデザイン思考などなど,それら技術の一貫性や適用領域などが相当混乱した状態にあると言えます. 本WGでは,何を作るかのプロセスと技術に焦点を当ててそれらの位置付けを整理することが’目的です.また,先立って2017年11月24日に大阪にて行われた「システムアシュアランスと要求⼯学からみたビジネス及び業務プロセスモデリングとその実践ワークショップ」を議論のきっかけにします(本ワークショプでの発表に使われた資料は,WG参加メンバーに事前展開します).

参加の条件:

参加のポジションを5分程度のスライドにまとめてWGの最初に自己紹介とともに発表していただきます. 本WGに関連する適用した手法や,実施経験などを発表してください.

運営方法・備考:

2017年11月24日の議論をトリガーに,WG参加者によるワークショップ形式で,新サービス開発のための技術を,プロセスと手法の視点から整理します. 整理のためのベースを主催側から提案する予定で

メーリングリストのアドレス: ss2018-ps @ sea.jp (ログを取得する方法については,こちらをご参照ください.)

WG9: 要求技術者の責任と社会システムの狭間

リーダ: 野々村 琢人 (西川産業 研究開発室),中谷 多哉子 (放送大学)

概要:

SS2016で議論した「要求仕様書の社会的妥当性を確認するのは,要求者の仕事か,要求技術者の責任か」 について,さらに議論を進めたい。
ある種のソフトウェアは,導入後に社会に与える影響が大きいが,それにもかかわらず,その影響を十分評価する工学的なプロセスはあまり議論されていない.
設計以降の開発は,要求仕様書に基づいて作業が行われるため,社会的に負の影響がある開発を止めたり,あるいは社会教育の必要性を判断したりするのは,要求技術者の責任ではないか.
本ワーキンググループでは,様々なソフトウェアシステムを例として取り上げ,社会的な影響,良いソフトウェアと悪いソフトウェアの評価基準,時代の変化によって変動する評価基準といったトピックを取り上げて,討論を行う.

参加の条件:

社会インフラとしてのソフトウェアが担うべき責任と要求技術者の役割について,ご意見をお聞かせください.
A4で2ページ以内にご意見をポジションペーパとしてまとめ,投稿してください.

運営方法・備考:

参加者のポジショニングペーパを元に,討論を行います.
討論テーマは,投稿されたポジションペーパの中から,話題を選定いたします.
主催側で用意している討論テーマは,以下の通りです.
  1. 社会を支えるソフトウェアの社会的な責務とは何か
  2. そのようなソフトウェアが担うべき責務の妥当性を評価するのは誰か.何をどのように評価すべきか.

メーリングリストのアドレス: ss2018-rr @ sea.jp (ログを取得する方法については,こちらをご参照ください.)

WG10: きちんと動くモデルカーを作ってみよう

リーダ: 伊藤 昌夫 (ニルソフトウェア)

概要:

このワーキンググループでは,強い型付けによるプログラミングについて考えます.言語としては,代表的な SPARK/Ada 言語を使います.Ada は,欧米で高信頼性を要求する分野(e.g. 航空宇宙分野)で用いられている歴史ある言語です.時間があれば,SPARKが提供するデータフローや表明機構についても,考えたいと思います.
最初の日は,SPARK/Ada 言語について学習します.言語知識はなくても大丈夫です.二日目は,実際に使ってみます.

運営方法:

1日目: SPARK/Ada とは

 Johannes Kanigさん(AdaCore社) から説明をしていただきます.
 https://blog.adacore.com/author/kanig
 実際に試すために,備考にある GNAT を PC にインストールしてください.

2日目: 実際に使ってみる

 最初に,PC 上で,ふるまいをきめるための簡単なコードを書きます.
 そのコードを用いて,モデルカーを動かしてみます.

備考:

 以下が,言語について学ぶための参考情報および処理系です.

 ■ AdaCore University
   https://university.adacore.com/
   (一部は日本語訳があります)

 ■ GNAT
   学習のためのSPARK/Ada 処理系です.macOS/Windows/Linux 版を見つけられると思います.
   https://www.adacore.com/community

モデルカー

参加の条件:

何を期待するかのPPを出していただけたらと思っています.

メーリングリストのアドレス: ss2018-sa @ sea.jp (ログを取得する方法については,こちらをご参照ください.)

WG11: ソーシャルコーディングとソフトウェア進化

リーダ: 松本 健一 (奈良先端科学技術大学院大学)

概要:

1970年代に提案された「ソフトウェア進化」という概念により,「ソフトウェアとは,利用者要求や利用環境等の変化に応じて,開発時・出荷後を通じて機能追加や品質向上が繰り返されるものである」と考えられるようになりました.アジャイル開発やチケット駆動開発がその代表例ですが,先進企業でも採用され始めているソーシャルコーディングでは,ソフトウェア進化のトリガーは,管理者等からの上意下達ではなく,多数の開発者からの自発的な提案に基づいて発せられるようになってきています.本ワーキンググループでは,「自発的ソフトウェア進化」とも呼べる新たな開発形態とその技術的課題について,参加者と議論を深めたいと考えています.

参加の条件:

特にありませんが,ソーシャルコーディング,ソフトウェア進化,ボット,開発コミュニティ・コミュニケーション,スマートシティフレームワーク等の技術に興味がある,業務で活用している・しようと考えている,といった方々の参加をお待ちしております.

運営方法・備考:

6/8(金)のみの開催としています.下記はスケジュール案です.
ただし,参加希望者が多数の場合は,議論に十分な時間を取るため,6/7(木)と6/8(金)の両日開催とす ることを検討します.

その他:

本ワーキンググループは,「科学研究費・基盤研究(A),自発的ソフトウェア進化の加速に向けた基礎技術の開発,研究代表者松本健一,2017年度~2019年度」における基本テーマである「ソーシャルコーディングはソフトウェア進化の新たな形態か?」について,(当該研究事業の成果を一方的に発表するのではなく,)広く参加者の皆さんと議論,意見交換を行うことを目的としたものです.

メーリングリストのアドレス: ss2018-sc @ sea.jp (ログを取得する方法については,こちらをご参照ください.)

WG12: システム思考アプローチでモデリングをやってみた

リーダ: 羽田 裕 (日本電気通信システム),日下部 茂 (長崎県立大学)

概要:

ソフトウェアシステムも、他のシステムと相互に作用しながら動作することが増え、大規模化、複雑化に伴いその傾向はさらに強まると考えています。その際、特定の関心事に対して、もっとも重要な構造を抽出し、種々の相互作用を分析するためにはモデリングが重要な役割を果たすと考えています。例えば、システム理論にもとづくモデル化と分析の手法であるSTAMP/STPAや、機能の共鳴に着目したFRAMなど、システム思考でモデル化と分析を行う方法論やその支援ツールなど、モデリングの道具が普及してきています。このような状況をふまえ、システム思考アプローチでのモデリングに関して、議論や情報交換を行うためのワーキンググループを提案しています。

参加の条件:

A4一枚程度のポジションペーパの提出。モデリング実施済みであれば、事例の動機や知見、感想など。これからであれば予定事例と動機など。

運営方法・備考:

事例紹介とディスカッション

メーリングリストのアドレス: ss2018-st @ sea.jp (ログを取得する方法については,こちらをご参照ください.)

WG13: エンジニアのトリセツ2  ~寿命100年時代:70才まで現役で働けますか?~

リーダ: 森本 千佳子 (東京工科大学),増田 礼子 (フェリカネットワークス),辻 達諭 (L&Cトレーニング), 古畑 慶次 (デンソー技研センター),松尾谷 徹 (デバッグ工学研究所)

概要:

ビジネス環境がプロダクトからサービスへと激変する今日において,企業の存亡は,マネジメントにおける変革型リーダシップと,サービスを生み出すITエンジニアのパフォーマンスにかかっています.このWgでは,人的資源としてのITエンジニアをどのように扱えば,変革の時代に生き残れるかをテーマにして議論します.
昨年のissueは,マイクロマネジメントと呼ばれる時代錯誤的なマネジメントが蔓延している現状をテーマにしました.変革どころか時代に逆行する現実は,現場レベルでの人的資源に対するマネジメント無知から生じていることから,今回は辻先生に参加してもらい,(1)基本的な考え方のレクチャーを予定しています.
Wgのテーマとしては,(2)現状からの変革をどのように進めるのか? (3)変革後に目指す人的資源として現在のITエンジニアは役に立つのか?について議論します.(2)現状からの変革は,対象範囲を現場レベルでのトリセツ問題に絞り,現役のマネジャーやリーダに対して向かうべき方向を探ります.多くの悩みは,現状ではダメだと感じているが,何をすれば良いのか?マネジメントスキルとして何を学ぶのか?など迷っていることにあります.使う側のトリセツとして議論します.
(3)変革後のITエンジニア問題は,エンジニアが持つスキルについてのissueです.職場で与えられた仕事の経験,それらの6割以上が会議資料や規範に沿ったレビューや文書作成など,技術スキルを磨くより,開発事務的なスキル取得に費やされています.組織による知識教育もこの範疇が多く,実装などの実務は外注され空洞化が進んでいます.
一方,市場では,AI技術,ビッグデータ,自動運転,OSS系TOOLなどなど,公開された技術がものすごい速さで進化し,そのキャッチアップと技法選択力がエンジニアのパフォーマンスを決めています.このままでは,現有の人的資源はスキル不足から雇用問題に至ると思われます.自立的に学んだ者だけが生き残るのか,日本の伝統である人づくりに取り組みのか,取り組むとすればどんな方法が必要なのかについて議論します.
要するに,このWgでは(1)辻先生のレクチャーが聞ける,(2,3)エンジニアとして生き残る道を探すのか,マネジメント側で生き残るのか,このまま浮世に流されるのか,などなど寿命100年時代に向かって考えて行きます.

参加の条件:

Webを使った情報共有を行います.事前に簡単な自己紹介などを想定しています(運営時間の効率化のため).

運営方法・備考:

人の扱い方に関するレクチャーの後,変革の進め方,期待するエンジニアスキルの育成について意見交換と展開のアイデアを練る.

メーリングリストのアドレス: ss2018-ts @ sea.jp (ログを取得する方法については,こちらをご参照ください.)

WG14: 「ソフトウェア開発の現状と今後の発展に向けたディスカッション」

リーダ: 小笠原 秀人 (千葉工業大学),中森 博晃 (パナソニック スマートファクトリーソリューションズ)

概要:

一昨年から継続して,今年も,ワーキンググループに参加しないという選択肢を用意していません.ソフトウェア開発に関するさまざまな発表をとおして,幅広く議論をしたいという方は,このワーキングを選択してください.途中での退席や途中からの参加もありとします.
また,2日目は、WG11「ソーシャルコーディングとソフトウェア進化」と合流する可能性もありますので、あらかじめご了承ください。
なお,参加者が集まらずに開催できないワーキングがあった場合には,本ワーキングに吸収します.

参加の条件:

A4で4ページ以内にご意見(ご自身が関わっている,あるいは興味を持っている内容に関する悩み,アイデア,成果,計画,疑問など何でも)をポジションペーパとしてまとめ,投稿してください.また,当日は,投稿されたポジションペーパをベースにした発表をお願いします.

運営方法・備考:

初日は,投稿されたポジションペーパから事前にプログラムを決めて,発表と質疑応答を繰り返します.2日目は,初日に発表&議論した内容からいくつかの話題に絞り,議論を中心として進めていきます.

メーリングリストのアドレス: ss2018-xs @ sea.jp (ログを取得する方法については,こちらをご参照ください.)

TS1: ソフトウェア技術者のためのマルウェア入門

講師: 鈴木 裕信 (usp lab.)

概要:

2016年9月20日マルウェアMiraiは当時インターネット史上最大の攻撃トラフィックを用いてDDoS攻撃を行いました。マルウェアMiraiはインターネットに繋がれた脆弱性のあるIoT機器を探索・感染・制御しDDoS攻撃を行う機能を持っています。マルウェアMiraiは組込みLinuxベースのIoT機器に常駐するMiraiボットと感染した多数のボットを管理・制御するMiraiサーバから構成されています。マルウェアMiraiの特筆すべき点はその実際のコードが作者anna-senpaiにより公開されていることです。そのコードをみると洗練されていることがわかります。今回はソフトウェア技術者の観点からマルウェアMiraiのソースコードを読み解きます。探査・感染・制御のメカニズムは今日的なマルウェアを理解する重要な手がかりになるでしょう。近年のマルウェアに対する知識を共有することにより安全なソフトウェア作成、安全なシステム構築に役立てるヒントとなるでしょう。

このチュートリアルの参加者には,次の図書を配布します.

参加の条件:

ご参加の前提条件はありません。

メーリングリストのアドレス: ss2018-sm @ sea.jp (ログを取得する方法については,こちらをご参照ください.)

TS2: 人と人、チームとチームを繋ぐコーディネーターになろう!

講師: 森 薫子 (株式会社 B),玉城 理恵子 (富士通クラウドテクノロジーズ株式会社),鈴木 史恵 (専修大学松戸高等学校,ことのは国語教室)

概要:

コーディネーターとは
『物事が円滑に行われるように、組織間の調整や進行を担当する人』
と定義します。

私たちが仕事を進めていく上で、チーム内の連携あるいは複数部署の連携は不可欠です。連携がうまくいっている時は問題ありませんが、この連携が滞ってしまった時、あなたはどうしていますか?

誰かが調整してくれるのを待ちますか?
それとも、自ら調整役を買って出ますか?
はたまた、連携がうまく行かない事による歪みを背負いながら、なんとかプロジェクトが終わるよう日毎残業を重ねるのでしょうか?
活動連携できない組織・チームは非効率的な資産活用の末いずれ破綻します(連携できないということは、組織(チーム)である意味をなさず、その組織はいずれ破綻します)。

確かに組織間の連係をうまく調整することはとても大変な事です。
とはいえ、時代の変化の中で成果を生み出していくためには、限られた人と時間という資源を有効活用していく必要があります。
そこで求められるのが組織(人)同士を繋ぐ役割です。

「繋ぐ」とは、単なる仲介役ではなく、対立する意見を持つ立場であっても共通点や妥協点を見つけて合意形成するためのサポートのことを意味します。
例えば、両者の使っていることばを整理するだけでもいいかもしれません。

今回はこの滞ったコミュニケーションを交通整理するための手法を、実例を交えてご紹介していきたいと思います。

参加の条件:

ご参加の前提条件はありません。

チームや社内でのコミュニケーションを活発にする手法や、合意形成について興味のある方のご参加をお待ちしております。コーディネーターに興味のある学生さんの参加も大歓迎です!

運営方法・備考:

メーリングリストのアドレス: ss2018-tt @ sea.jp (ログを取得する方法については,こちらをご参照ください.)

メーリングリストのログを取得する方法

メーリングリストのアドレスの名前の末尾に "-ctl" を付加してこれを宛先として,メールの本文の先頭を get 1-last としたメールを送ると,ログを取得することができます.

例えば,“WG1 未来に活躍できるソフトウェアエンジニア”の場合,メーリングリストのアドレスが ss2018-ef @ sea.jp ですから,宛先は ss2018-ef-ctl @ sea.jp,本文は get 1-last となります.

このときに,メーリングリストに登録されたメールアドレスからしか取得できませんので,ご注意ください.

get の代わりに help を送ると,メーリングリストの使い方が返送されます.