ソフトウェア・シンポジウム 2016 キーノート・フォーラム

オープニングキーノート

タイトル: オントロジーとモデル理論に基づくソフトウェア開発の品質向上の実践
     -上流工程支援と下流工程技術の両立を目指して-

講演者: 国立研究開発法人 産業技術総合研究所
    情報技術研究部門 ソフトウェアアナリティクス研究グループ
    上級主任研究員 和泉 憲明 氏

概要: 一般に,ソフトウェア開発が大規模化すると,結果として,プロジェクトの人材多様化してしまうため,エンタープライズアジャイルや超高速開発といった最新の下流工程技術が機能しなくなってしまいます.このため,プロジェクトを遅延無く高品質に完了させるためには,多様な人材・スキルを前提として,採用技術に対して上流工程支援を有機的に連携させたプロジェクト推進がポイントとなります.そこで,本講演では,オントロジーやモデル理論といった基礎的な方法論を,大規模なソフトウェア開発プロジェクトにどうやって導入し,プロジェクトにおける品質向上をどのように達成したのかについて,具体例を交えて紹介します.特に,実際の巨大ユーザ組織が,どのように,マルチベンダ・中小企業参入の大規模情報システム開発を可能にしたかについて,利用者主導・主体的開発管理という観点から説明します.

クロージングキーノート

タイトル: 大山とともに生きる ~マインドマーク大山の1300年物語~

講演者: NPO法人大山中海観光推進機構(通称:NPO大山王国) 理事長 石村 隆男 氏

概要: 東の「富士山」,西の「大山」とも表現されるほど,西日本(特に中国地方)では大山の存在は文字通り大きな存在・ランドマークでした.長い歴史の中では単なる地域の目印という存在を超えて,心の拠り所あり,信仰の中心として輝いきました.まさにマインドマークです.神々のふるさと・出雲との間には神代より歴史的に深い関係がありますが,今だに知られざることも多く,地域全体がミステリアスな雰囲気を醸しだしています.想像力を働かせてこのミステリアスな時空を遊ぶことができれば,新しい発見もいろいろありそうです.講演では,「大山とともに生きる」ということで,長い歴史に彩られた大山ミステリアスワールドへ誘います.

参考資料:『大山とともに生きる』

参考サイト:大山王国神々のふるさと山陰

フォーラムセッション 1

タイトル: ポスト・モバイル社会 -セカンドオフラインの世界-

講演者: 関西大学 社会学部 メディア専攻 富田 英典 教授

概要: 私たちは,モバイルメディアを利用し,その場で必要な情報をすぐにインターネットで調べたり,いつでも友人と連絡をとったりしている.つまり,「オフライン」において「オンライン」情報を常時参照しているのである.このような状況を「セカンドオフライン」と名づけたい.現代社会は,もはやモバイルメディア社会という範疇を超えた新しいもうひとつの社会へと移行しつつある.ここでは「可愛さ」の変遷など具体的な事例を取り上げながらその姿に迫る.

フォーラムセッション 2

タイトル: 地域貢献と研究成果を両立するソフトウェア工学教育の実践 -不十分な条件下のSE教育の創意工夫-

講演者: 阪南大学 経営情報学部 経営情報学科 大学院 企業情報研究科 花川 典子 教授

概要: 大学教育では学生教育の充実のみならず,地域社会貢献や就職支援,産学連携など多くを要求され.同時に自身の専門分野の研究成果も要求される.時間制約や人材制約の多い中,最大限の教育効果や研究成果を実現するための企業にも共通する創意工夫を紹介する.