教育事例研究会
Case study Workshop

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教育事例研究会2004 報告
主催:教育分科会

 教育分科会では、毎年初夏の時期に教育の実践報告、最新教育関連の情報交換、などを中心とした研究会を開催しています。今年も、人材育成について新しい取り組みを実践されている方、および教育工学に基づき教育の最新技術を研究されている方、ユニークな教育展開をされている方などの具体的な事例を元に集中討論会を行いました。

開催概要

1.日時:2004年 7月 1日(木)13:00 − 2日(金)16:00

2.場所:リコー東松山研修センター

3.プログラム概要

<7月1日>
第1セッション−1「日本版CLO養成講座への険しい道のりについて」
     畑田 敏雄((株)ジェック 行動理論研究所、
     岩手県立大学ソフトウエア情報学科博士課程在学中)

第1セッション−2「通信制高校におけるネット学習初年度の舞台裏」
     猪貝 達弘(NHK学園高校、岩手県立大学大学院)

第2セッション−1「教官手引書の設計レビュー」
     君島 浩(防衛庁海上幕僚監部)

第2セッション−2「講演『詳説インストラクショナルデザイン1:評価とROI』
  『詳説インストラクショナルデザイン2:トレーニングを減らす設計法』」

     鈴木 克明(岩手県立大学ソフトウエア情報学部教授)

<7月2日>
第3セッション−1「シャンクのGBSを企業内教育へ応用するためのチェックリスト」
     根本 淳子(岩手県立大学ソフトウエア情報学部研究員)

第3セッション−2「セキュリティ対策とトラブルシューティング」
     篠崎 直二郎(NECソフトウエア)

第4セッション−1「戦略的人材育成の企画方法」
     森泉 清(リコーテクノシステムズ)

第4セッション−2 「セルフペースド学習と一斉授業」
     米島 博司(NECインターナショナルトレーニング)

第4セッション−3 「教育設計ツールUNIKIDSの最新機能強化」
     堀内 淑子(日本ユニシスラーニング)


4.セッション詳細(質疑応答記録)
第1セッション−1:畑田敏雄((株)ジェック 行動理論研究所、岩手県立大学ソフトウエア情報学科博士課程在学中)

「日本版CLO養成講座への険しい道のりについて」

発表要旨は、(1)ジェック社における実務教育事業及び教育理論、チーフラーニングオフィサーCLOを博士課程の研究主題に選んだ理由、(3)CLOの人材像、(4)具体策の案、である。

鈴木克明(岩手県立大学ソフトウエア情報学部教授):アンラーンという言葉の使い方が英語として正しいかどうか。知識を変更するという意味ではないだろう。(後日英和辞典を見た:「忘れる。念頭から除く。積極的に再学習する場合にも用いる」だそうだ)

君島浩(防衛庁海上幕僚監部):教室教育だけでなく実務改善まで視野に入れる考え方のようだが、それには実務改善国際学会ISPIが参考になるし、米国訓練育成学会ASTDも扱っている。また、第四世代ISDも参考になるのではないか。

鈴木:私が出版した「eラーニングファンダメンタル」でもISPIを紹介している。

君島:従来の経営者教育は受講して帰ると実務に使わないことが多い。CLOが日々何をやるか、週ごとになにをするか、月ごとの行事、年度の行事などの事例を調べたり、想定したりするとよい。

篠崎直二郎(NECソフトウエア):従来の教育部門やその役員の関係とどう違うだろうか。

君島:新旧対比表を書いたらどうか。

畑田:次世代の社長育成の本を書いている。

君島:米国では部長や課長という中間管理職の職務がはっきりしているので、MBAはそれを前提にして社長を育成できる。日本では中間管理職の職務があいまいなので、米国をモデルにしてトップ、ミドル、ボトムの職務の階層関係を明らかにして欲しい。

畑田:それは企業の戦略によって違ってもよいと思う。

君島・篠崎:実務の場で教育するのには、ソフトウエアの場合は設計レビューが大きな効果を持っている。

篠崎:ソフトウエアのデバッグ(バグ探し)も高度な能力を要する。

篠崎:ジェック社の教育事業の客は人事部員が多いのか。

畑田:違う。社長や営業部員が多い。

君島:ジェック社自身の販売員や講師にも行動理論が大切と思うが。

畑田:それはある。社外秘である。

君島:日本企業で「
篠崎:CLOはこうだという指標は持ちにくい。

君島:自衛隊の教育は上級幹部の職責が定義されているのでCLOの参考になるかも知れない。米国軍は教育本部制なのでそのトップはCLOと言えるだろう。

畑田:陸海空一緒のCLOか。

君島:いやCNET(Chief of Naval Education and Training )と言って海軍の単位である。(後日確認:海軍及び海兵隊)

篠崎:日本には認定コースというのがいろいろあるが怪しいものがある。

篠崎:ITスキル標準(ITSS)には「エデュケーション」という職務があるが、経営者に相当するレベル7はない。

森泉清(リコーテクノシステムズ):日本では教育のトップと言うと「楽な仕事」「定年前のポスト」「売上高を気にしないで済むポスト」ということが多い。戦略を下から提案しても「よきにはからえ」で本気でやってくれないことが多い。

畑田:そういう場合には教育以外のチェンジリーダーにくっつけばよい。

森泉:下も教育効果を突き詰めているとは言えない。しかし、えらい人が教育の大切さを知らずに、本音では教育費を削減したがっているのではないか。

君島:小林薫先生のことが出たが、この先生は日本の経営学者の中では信頼できそうな先生だと思う。

森泉:教育部門に腰掛け程度の気持の人が多い。

篠崎:日本航空のスチュワーデスの研修所を見学したことがある。在任期間は2年間ぐらいだそうだ。しかし、運用マニュアル類を作るので真剣である。男性は5年間ぐらいが多いそうだ。

君島:自衛隊は職種や職位の観点でまんべんなくマニュアルがある。

畑田:人を教えるという文化風土があるのだろう。知識管理KMが大切だ。

森泉:この養成講座を受けて日本で行動できるのだろうか。

畑田:講義の講座にするとは言っていない。

君島:経営教科書というと読み物にとどまるものが多い。スーパーマーケットの渥美俊一の学術書のようにしないと、講座を受けた次の日にアンラーンしてしまう。

根本淳子(岩手県立大学ソフトウエア情報学部研究員):畑田さんはCLOにはならないのか。

畑田:まだ役員ではない。

森泉:日立電子サービスにいた山本副社長がそういう役割だった。自分のコンセプトを出してしっかりやっていた。

畑田:ジェック社はインストラクタを1年以上も教育する。新人を1年間Off-JTした。

森泉:わが社では10年前は2年間この東松山研修センターでインストラクタ養成をしていた。ジェックさんに教育してもらった。今はそうしていないが。

猪貝達弘(NHK学園高校、岩手県立大学大学院):教員の世界は(実践的な)研修期間がない。今年教員になった人を見たら心配な人がいた。(注:教育実習は4週間やっている)

畑田:どちらとも言えない。私も教職経験がある。学校は倒産しない、という甘い姿勢がある。学校はマネジメントがない。学校のマネジメントも教室のマネジメントもない。

鈴木:「学校経営」というのは昔からある。

 

第1セッション−2:猪貝達弘(NHK学園高校、岩手県立大学大学院)

「通信制高校におけるネット学習初年度の舞台裏」

 発表要旨は、(1)NHK学園とはテレビ・ラジオの高校講座を基本にした広域通信制高校、(2)システムの特徴、(3)生徒の状況とアンケート、(4)教員の状況、(5)まとめとおまけ、である。

畑田:ライバルに食われて生徒が減少中だったとのことだが、ライバルを調べたのか。

猪貝:調べた。A社である。eラーニングではない。子供向けの雰囲気で売れていた。そうでない雰囲気を出して挽回しようとしている。

君島:eラーニングのライバルが出てくると恐いか。

猪貝:17年度には出てくる。

君島:eラーニング化の目的が教員側の発想のように見えるが。

猪貝:生徒側を取材した結果である。鈴木先生にも助言してもらった。

君島:eラーニング化での先生側の仕事の変化は気にしていないのか。自衛隊では気にしている。

猪貝:先生側の仕事は変わる。生徒よりも先生の方が変化に対応しきれないことが問題になっている。

猪貝:学習管理システムLMSはB社のはイージーオーダーが困難なためにC社のを選定した。前のシステムが変更困難だったのに懲りたため。

根本:生徒の年齢はどんな範囲か。

猪貝:10代から50代までであり、10代が多い。

畑田:通信教育にも引きこもりの生徒はいるか。

猪貝:いる。

畑田:これだけ電子データが残ったなら生徒ごとの個性などの分析はしたか。会社の顧客資源管理CRMのように。

猪貝:やっていないが、やりたい。

篠崎:挫折率はどのぐらいか。

猪貝:途中でネット教育をやめる人は郵便のに変えて続ける。挫折者は申し込んだだけで始めから全く受講しないパターンの人だけである。

篠崎:転送速度が問題とのことだが、郵送教材と組み合わせたらどうか。

猪貝:次年度は参考までにPDF版を提供することにする。

?:配布資料の人数は延べ人数か。科目ごとの内訳はどうか。

猪貝:1年生100名ぐらいは9科目を受ける。だからそれだけで延べ人数は900名である。全部で延べ人数は2千人ぐらいである。

畑田:ビジネスモデルはあるのか。

猪貝:C社からはソリューション提案があった。B社はビジネスモデルの提案力がなかった。しかしC社の分析ミスで4月にアクセスが集中して、サーバを増強するはめになった。一番の問題はシステム問題だった。学園経営者からは「カネがかかる」と叱られている。インストラクショナルデザイナという人も派遣されたが、レイアウトデザインだった。C社も終わってから「勉強になりました」と言っていた。

森泉:会社のネット教育だと「なりすまし」が問題である。先輩が申し込んで、後輩に受けさせているとか。

猪貝:郵送時代からある。親が解答しているとか。

鈴木:企業なら企業倫理の問題だろう。不祥事がばれて問題になっている事件が多いのに懲りないのか。

猪貝:ほとんどの生徒は真面目である。自由記述の解答が同一なのはワンペアだけだった。

君島:「不正行為は許さない」と明文化するだけでも効果はある。大学の講座概要記述にそう書く教員が日本でも増えている。

鈴木:ブランドイメージは大切である。市場調査はしないのか。6000名というのは妥当なのか。品質保証のために4000名に絞るということがあってもよい。

篠崎:学び方を学習するというのがすごい。

鈴木:そういうのは学校設定科目として設置できる。学校の裁量で学び方科目を設置してよい。







第2セッション−1:君島浩(防衛庁海上幕僚監部)

「教官手引書の設計レビュー」

 発表要旨は、(1)CBTコンテンツ開発の手引書から教官手引書へという改版の経緯、(2)教官手引書の読者像、(3)手引書上の配置に迷っている話題、である。

篠崎:教官に全く向かない人はいないか。教官課程教官も異動してきた当初は新任ということか。

君島:向かない人がいるかどうかは知らない。教官課程教官の件はその通りである。

鈴木:海自のCBTコンテンツの事例を聴いたが、対話や試験なしで、一方的な提示型のような印象を受けた。理解の定着率の観点で問題である。

君島:私も違和感を持ったのだが、CBT化する前からこの方式でも理解度は高いとの説明だった。この部分については一気にたたきこむのが効果的という状況なのかも知れない。

米島:装備の形を設計図的に教育するのではなく、カメラを装備の内部に置いて回すようなCBTにしたらどうか。

君島:参考にする。そういう技術を用いた事例はある。

篠崎:学習順序を学生が決めるためのナビゲーションフレームはないのか。

君島:手引書では決めずに教官にまかせている。

鈴木:一次元的な構成だ。映画を見ているのと同じ。講義を録画したのと同じである。20年前のテクニックだね。「装備の仕様」と「業務の流れ」の順序を変えるとのことだが、順序は決めずに「勝手に過ごしなさい」でよい。「この順序」と決めない方がよい。コースマップがない。

君島:順序を考える時間も不要なほど一気に学習する状況なのかも知れないが了解した。学生に選ばせる方向で考え直す(後日談:担当者へ通知した)。

畑田:教官課程での学生の評価は日頃の勤務態度を観察して総合的にやるとよい。例えば、学生同士にレビューをさせている時には、レビュー能力だけでなくコミュニケーション能力も分かる。これがインストラクタ教育のジェック方式である。

君島:参考にする。

 

第2セッション−2:鈴木克明(岩手県立大学ソフトウエア情報学部教授)

「講演『詳説インストラクショナルデザイン1:評価とROI』『詳説インストラクショナルデザイン2:トレーニングを減らす設計法』」

 発表要旨は、7月下旬のe-LearningForumで鈴木教授が講演する内容のレジメ案であり、それに対して意見を述べて欲しいとのことである。

質疑応答記録なし。

君島:中原孝子さんのID講習会では評価方法を主目的に受講した人が結構多かった。評価には関心が高いと思うが「でもしか」評価という聴衆が少なくないように思う。「設計なくして評価なし。評価なくして設計なし」である。

 

第3セッション−1:根本淳子(岩手県立大学ソフトウエア情報学部研究員)

「シャンクのGBSを企業内教育へ応用するためのチェックリスト」

 発表要旨は、(1)シャンクが提唱しているゴール・ベースド・シナリオの紹介、(2)企業内教育へ応用するために根本氏が作った点検表、である。

篠崎:「〜させていただきたいと思います」と言うのは「〜します」でよい。

君島:「今日は(きょうは)」とか「ここに書いてあるように」という説明は視聴者には余計なことである。

?:(ゴールを隠した教育方法ということについて、いろいろ質問あり。)

鈴木:発表した中で、肝心の「ゴールを隠す」という説明がさらっとしていた。

篠崎:点検表がYESかNOかという質問形式でよいのだろうか。

米島:学習目標の点検をするのに「学習目標は学習者にとって明確か」だけでは点検項目数が少ない。

君島:米島さん、これは分析の時に使うのではなくて、設計か開発が済んだ時の点検表のようだ。分析による学習目標の設定は、とっくに済んでいるというならこれでよい。

畑田:アンダーセンコンサルティングがGBS方式で作ったCD-ROM教材の記事を見た覚えがある。それを参考文献にするとよい。

米島:なぜアンダーセンコンサルティングは社員への教育時間を減らせたのか。

根本:不要な目標を減らしたということだろう。

君島:それならGBSでなくてもできそうだが。

畑田:コンサルタントの初歩はGBSで十分学習できる。CD-ROM教材の記事が載った文献が分かった。

森泉:シナリオと言えば、ディズニーの社員教育では映画を作るように教育を設計する。

君島:もともと米国では大学に演劇・映画学科があって学術がちゃんとある。日本は東京芸術大学に演劇学科がなくて軽視している。日大などに頼っている。

畑田:アンダーセンだから実務でのKMの使い方までゴールを隠してやらせるのではないか。

鈴木:GBSだと高水準の目標まで達成できるとのことである。「シミュレーション>ディスカッション>座学」という図がある。

君島:この理屈は幹部候補生学校や幹部学校でシミュレーションCBTを推進するのに使える。

篠崎:CD-ROMだと試行錯誤を多量にできる。

畑田:ジェックの場合はCD-ROMを作るのが大変なので、生のロールプレイングでやる。

森泉:成績をどうやって付けるのか。

畑田:アンダーセンはOff-JTやOJTをすごくやっていた。だから成績評価もできるのではないか。

米島:相当に勘や創造性に頼っているのではないか。

君島:いや、業務分析などの手法をちゃんとやれる会社である。

堀内淑子(日本ユニシスラーニング):わが社にもコンサルタントの教育コースはある。「しかし、コンサルタントは教育で作れるのか」という質問がある。コンサルタントも人によって差がある。

君島:根本さんはGBSの設計・開発後の点検表をまず作ったのであって、このあとGBSの作り方の手引書を作るのか。それはそれでラピッドISDと言えるが。

鈴木:そう、次は手引書を作るのだろう。

君島:ちゃんとした学習目標や作業項目を一つの軸にして、シナリオの項目をもう一つの軸にしたマトリクスを書いて、カバー状況にチェックマークを入れて、最適解を設計するのではないか。そういう文献があるのではないか。ケーススタディの作成法が参考になるかも知れない。系統的な方法があって日本では田代空さんが指導している。

根本:文献はないが、その方式を参考にする。

君島:シャンクのGBSの紹介は長々と聴きたくない。根本さんが発明した点検表の効果や根拠の発表に時間をかけて欲しい。論文ならシャンクの話しを読み飛ばせるが。

鈴木:効果や根拠はまだまだだね。





第3セッション−2:篠崎直二郎(NECソフトウエア)

「セキュリティ対策とトラブルシューティング」

 発表要旨は、パソコン教室に講師がいろいろなトラブルを設定しておき、受講者に発見させる教育方法である。

君島:ネットワークに関しては知識の本ばかり多くて、作業を教える本は少ない。日本IBMの人が書いた作業指向の本があったように記憶している。ネットワークの断線を調べることなどである。

堀内:いきなりこの演習をするのか。それでトラブルシューティングできるか。

篠崎:前もって座学はしてある。

堀内:学生によって体験できるトラブルが違う。全部を体験できないのではないか。

篠崎:だれに相談してもよいことになっているで、回りも学習できる。

畑田:「故障中」の貼り紙をディスプレイに貼ってあるのをはがすというのはリアリティがない。本当に故障しているならリアリティがあるが。

鈴木:トラブルシューティング講座としてゲーム化しているという方向がおかしい。本当のトラブルシューティングはほかの業務をしている時にトラブルが起きるということだ。別の普通の講習をさせている最中にこの方式を組み込むのならよいが。

君島:コンピュータの使用方法の教育の中に位置付けられているのが変だ。日本IBMの本はネットワークの設置業務と運用業務を分けていた。設置の時にはいろいろ接続ミスなどが起きるが、使用者が会うトラブルはそれほどではない。

堀内:講座群の中での位置付けを説明してくれないと批評のしようがない。

米島:(電話の)電子交換機のトラブルシューティング教育は昔からやってきた。それが参考になる。

君島:オペレーティングシステムも、昔からトラブルシミュレータとか過負荷シミュレータなどを使ってきた歴史がある。

君島:ネットワークの資格物の教育はほとんどが知識教育であり、作業が洗い出されていない。ただしトラブルシューティングだけは項目としてある。

 

第4セッション−1:森泉清(リコーテクノシステムズ)

「戦略的人材育成の企画方法」

 発表要旨は、CE(保守員)の営業力強化についての、経営戦略マップ作成、スキル診断、学習方法決定、トレーナー・CEの教育実施の事例報告である。

鈴木:演習事例の網羅性に関して)顧客に発生する問題のマップを作れないのか。そこからリコーの製品群やソリューション役務に結びつけることになる元になるマップである。

鈴木:会話のやりとりにラベリングすると分かりやすい。問題解決会話手法SPINのどの段階に相当するのかラベルを付けるのである。

森泉:音声のやりとりを聴いて、どの段階かを書き出すようにさせている。

君島:客から聞き出した言葉を、営業員が次の質問文に即時に組み込むという手法がある。そのほか会話にも科学があるのでそれをSPINに統合すると良くなるだろう。展示会に行くと客に質問しないで一方的に説明する人がいる。

鈴木:SPINって有名なのか。

畑田:はい。でもジェックとしては話しにくい。こういうのは各社のノウハウだからタダで流出するのは困る。

君島:営業職務というのは学問的な発達が日本では遅れている。米国では大学でも企業でも学術が確立している。

鈴木:バランススコアカードBSCはどの会社でもやっているのか。

畑田:目標値を設定するのは当たり前である。

君島:戦略というが戦略的な改革と運用上の改善の両方がバランスする必要がある。例えば海上自衛隊では体育科目は昔からあるが継続的に改善している。

鈴木:日本の企業ではなぜ教育が軽視されるのか。

君島:リコーのようなメーカでは製造技能職やCEが下手だと商売にならないのが明白なので、そういう職種が教育を引っ張っている。実務者の上手下手という感覚を持たない経営者は教育を軽視する。米国の経営者は理屈として教育を理解して、教育を重視している。

 

第4セッション−2 米島博司(NECインターナショナルトレーニング)

「セルフペースド学習と一斉授業」

 配布資料なし。質疑応答記録なし。「一斉授業を悪者扱いにしないで、選択・混合するように説明したらどうか」というような意見あり。

 

第4セッション−3: 堀内淑子(日本ユニシスラーニング)

「教育設計ツールUNIKIDSの最新機能強化」

 配布資料なし。昨年の事例研究会での助言を参考にして機能を強化した。質疑応答記録なし。



以上