SEA教育ワークショップ
SEA Autumn Workshop

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第18回 SEA教育ワークショップ2004 報告
主催:教育分科会(sigedu)


<プログラム概要>

1.日 程:2004年10月21日(木)〜10月23日(土)  2泊3日
2.会場
【ワークショップ会場】
一部:ワークショップ:長岡技術科学大学
10月21日
14:30〜17:00 eラーニング研究実践センター  山下教授
           「長岡技術科学大学のIDとeラーニングの取り組み」

二部:ワークショップ:長岡観光ホテル 養寿館
10月22日
09:00〜18:00 人材育成に関する事例研究及び討論会

三部:ワークショップ:長岡観光ホテル 養寿館
10月23日 09:00〜12:00 人材育成に関する事例研究及び討論会

四部:オプション 14:00〜15:00 山本五十六記念館 見学
            
15:00       長岡駅 解散

3.参加者・スタッフ">
君島 浩(防衛庁)
篠崎 直二郎(NECソフト)
松原 光治(InfoMap)
豊永 正人(日立ソフトウェアエンジニアリング)
池田 真司(リコーテクノシステムズ)
森泉 清(リコーテクノシステムズ)
米島 博司(NECテレネットワークス)
*スタッフ
実行委員長    : 森泉 清   (リコーテクノシステムズ)
プログラム委員長:豊永  正人 (日立ソフトウェアエンジニアリング)


<討議記録(by 君島 浩)>
 ワークショップとは本来は実務持ち寄り作業集会の意味であるが、今回は各自の発表に対してほかの人が改善意見を述べるという「発表者が視聴者から教育される」方式である。各自の業務の改善に直結する有益な助言が交換された。23日の終了後の17時56分に中越地震が発生した。参加者は無事だったが、お世話になった長岡技科大やホテルには少なからぬ被害があったと思われる。
日時:2004年10月21日(木) 〜 10月23日(土)

場所:新潟県長岡市の長岡技術科学大学及び同じく長岡市のホテル養寿館
 以下の記録はメモから再現したものであり、完全ではないし、誤記も含まれる可能性がある。

1.山本五十六元帥生家の見学

プログラムでは土曜日午後に山本五十六記念館見学が計画されているが、私は参加できないため、長岡駅到着時に一人で記念館の手前の記念公園にある生家を訪問して記帳した。2DKぐらいの小さな町家である。老朽化しているので土曜日の中越地震の影響が心配である。

2.「長岡技術科学大学のIDとラーニングの取り組み」

山下裕行(長岡技術科学大学eラーニング研究実践センター)
センター長の大里教授による大学紹介・センター紹介に続いて、発表セションが始まった。(注:「実践」は研究だけではいけないよ、という文科省の意向)
 山下氏は(株)新潟放送グループのSE会社の取締役であり、新潟放送の寄付研究事業のリーダとして客員教授を勤めている。この大学は豊橋技術科学大学と共に国立高等専門学校(高校+短大に相当)のための学部・修士課程に相当する。他の大学に比べて情報工学への取組が遅かったので、追いつけ追い越せでがんばっている。本センターは民間企業の専門家を採用して放送局のノウハウを導入しているのが特徴である。

君島浩(防衛庁):センター教員は授業を担当するのか。
大里:現在は担当していない。今後は山下先生達に授業を持って欲しいと思っている。
山下:新潟放送から派遣された我々三人(山下、相馬、甲)が日本教育工学会で発表した内容を今回紹介する。日本教育工学会の参加者は生え抜きの大学教員がほとんどなので、話しがなかなか通じなかった。
山下:世間ではID(ISD)を作業の進め方程度に使っていることが多いが、我々は教材の中味のIDにも力を入れている。鈴木克明先生の遠隔授業「eラーニングファンダメンタル」を受講して、eラーニングの相手方のことを考えていなかったということを痛感した。
山下:遠隔授業の対象候補である新潟県内のアンケート調査対象組織は従業員500人以下の製造業が典型である。
君島:そういう会社をなかなか想像できない。私が訪問した長野県の三協精機は従業員が3千人ぐらいだった。中小企業相手という特徴と技科大の理工系講座という特徴に特化するとユニークな事業ができると思う。

3.「スタジオ改善の記録」
    甲(きのえ)圭太(eラーニング研究実践センター)

 本大学には授業をeラーニングにするための撮影・録音スタジオがある。素人仕事で問題が起きていたので、新潟放送のカメラマンの経験がある甲氏が指導した記録である。

甲:第一に照明技法では被写体である教員が、白板やスクリーンに負けて暗く写る。素人仕事で単に照明を明るくしたが相対的な関係は変わらないので改善しなかった。教員にスポット照明を当てること、輪郭を表すように斜めから照明することなどを指導して改善できた。
甲:収録施設では、単調にならないように本棚等の家具を置いたり、机に地球儀を置いたりするように指導した。カメラ位置を決めるために床にバミリ(目印の粘着テープ)を貼った。
甲:第二に録音技法では、卓上マイクや手持ちマイクよりもピンマイクを推奨した。音量が一定するからである。コンピュータの騒音等を拾わないために、ノイズリダクションマイクというのがなかなかよい。ディジタルオーディオプロセッサに音量メータがなくて、教員の音量を一定にするのに不便だった。独立の音量メータを付けた。
甲:第三に収録メディアと録画技法では、最初はDVテープに録画していたが、コンピュータで変換・編集するのに手間がかかる。現在はメモリスティックに録画して手間を減らした。ただし容量の制約があるので今後はHDDに収録するのがよいと思っている。
君島:企業は普通のCBT教材を開発するのが主流なので、大学で教員の授業を録画・スライド再生教材にするのが主流なのには違和感を感じる。また録画・スライド再生をVODと呼んでいるのは、去年、リコーの池田さんの発表と同じで間違いだと思う。VODは単純なビデオをネットワークで視聴するもので、米国ではスタンフォード大学を初めてとして普及している。スライドを使わない教員も含めて面倒みるなら、録画・スライド再生に金や労力を使うのは中途半端であり、本来のVODに徹する方がよいと思う。
甲:録画した講師の顔を画面の右上に再生しているのだか、これは必要なのかどうか意見を聞きたい。
森泉清(リコーテクノシステムズ社):必要ないと思う。
山下:講師の語りの録音だけ再生して、録画再生のない教材を視聴したことがあるが眠くなった。顔は必要だと思う。
君島:もともと録画は録音を兼ねるので、講師の語りを再生するのが主目的であった。自衛隊の場合にはオープニングとクロージングに講師の録画を再生している。途中は音声だけでもよい。サンマイクロシステムズでは講師の静止写真をずっと表示する方式を使っていたが、これは眠くなるかも知れない。
(発言者不明):静止写真を何種類か用意して時々変えるとよいかも知れない。

4.「講師映像録画の時間短縮ツール」
    相馬峰高(eラーニング研究実践センター)

 相馬氏は新潟放送グループのSE会社でシステムエンジニアの経験がありソフトウエア開発ができる。ビデオ・スライド再生教材における録画の後処理のツールを自作した。
相馬:録画したものへスライドの切り換えに対応するカットを入れるのには、授業と同じ以上の時間がかかっていた。自動的にカットする市販ツールもあるが、本大学の学習管理システムLMSはSCORM標準対応でないこともあり、ツールを自作した。録画終了と同時にスライドと対応したディジタルビデオファイルが得られるようになった。
君島:日立かどこかのツールと似ている。
豊永正人(日立ソフトウエアエンジニアリング):教材を提供するまでにはそのほかに作業は必要か。
相馬:メタ情報を入れてLMSコンテンツに仕上げる作業が必要である。(講座、単元、時限等の情報を入力する作業と思われる)

君島:大学で得た経験を基にして、新潟放送でeラーニング事業をしたいそうだが、今回のような方式をそのまま転用する予定か。
相馬:技術講座や体育講座のようなものはスライド中心では問題があるので、別な方式へ転換する必要がある。

君島:中小の製造業というと機械工学などが中核教育と思うが、コンプライアンス教育などの例は中核とは言えないのではないか。

篠崎直二郎(NECソフトウエア):中核でなくても社長の年頭訓示を配信するのなどはeラーニングの必要性が高いと思う。

相馬:研究会に出席できなかった人への録画の配信も希望者がいる。

森泉:新製品の保守作業のビデオのCD-ROM版を配布している。電子マニュアルと一緒にして配る。

篠崎:ビデオは容量が大きい。

君島:今はビデオ容量は気にならない時代だ。CAD/CAMの展示会では新製品の保守員や営業員にCADデータを流用したCBTと電子マニュアルを配るという展示が目立った。

森泉:リコーもそうする方向である。

山下:IDガイドラインを作った。まだ配布できないので回覧だけする。(約20ページ)

5.長岡技術科学大学施設見学

1)マルチメディアシステムセンター

遠隔生授業の機能を持つ大教室。三つの大画面(正面投影式)。

大画面のために2階分の高さを使用。

学生卓には応答分析器(投票器)と発言用マイクを常設して、双方向授業可能。

学生卓にコンピュータはないが、無線LANアンテナと床下電源で、ノートパソコンを持ち込んで対処容易。

稼働率は10%程度。マルチメディア無しの集会にも利用して。

防音スタジオ

通常の天井高の部屋の中にヤマハ製の防音ブースを設置。

録音だけでなく小型撮影スタジオを兼ねる。飾りの背景や地球儀を設置。

コンピュータ本体の騒音が問題。本体をブース外に出すケーブル穴を作り忘れた。

AV編集室

立体眼鏡と体感手袋を接続した模擬演習機材があった。

6.「戦略的人材育成を可能にするツールとは」

森泉清(リコーテクノシステムズ社)

東松山での事例研究会で岩手県立大学の根本さんが発表したゴール・ベースド・シナリオ手法GBSをCE提案力強化コースに適用してみた。

篠崎:教育企画グループの職務分掌には予算管理も入るのか。

森泉:入る。

森泉:ロールプレイングゲームは実技テストをして各自を批評するような形態なので嫌がられている。シナリオが存在しないのも問題である。

池田:ロールプレイゲームの前にロールプレイ訓練があるのがおかしい。ゲームが上達手段ではなくて評価手段になっている。

君島:ロールプレイングゲームではシナリオがないということは作業手引書に従って進めるのか。

森泉:その通りである。客先での作業方法を題材にする。

君島:このコースはゴール・ベースド・シナリオGBSとは言えない。根本さんの発表では、学習する話題や目標を明らかにしないというのが特徴だったはずだ。

森泉:了解。

豊永:スライドにある事例は科目全体でこれ一つか。

森泉:複数である。

篠崎:ここに載っていない質問への回答はどうするのか。

森泉:経験のある講師である私が即興で回答する。

篠崎:一通りでなく複数作っておかなければならない。

君島:医学教育では疑似患者を準備して、いろいろな質問(問診)に対応できるようにしている。この場合は疑似客が相当な準備をすべきだ。そうでないと講師を交代できない。

森泉:生徒同士に疑似客をやらせたら、うまくいかなかった。あがってしまう。チーム代表に質問させるのも会話ごとにチームで相談するのでコースが進まない。本番らしくなくてゲーム感覚になってしまう。

君島:あがるのは直せる。

池田:この職務は1対1なので本番ではあがらない。

君島:医学教育では疑似患者との会話を徹底的に評価して改善して一人前にする。

池田:了解した。

篠崎:帝国データバンクで顧客の信用度を事前調査するような実務の作業が抜けている。

池田:これはCEの営業行為なのでリコーの商品を設置済みの顧客であり、信用度の心配はない。

篠崎:それにしても受講者が質問したら1枚でよいから信用情報等の資料を見せるようにすれば、それほど手間をかけずに事前調査や質問の本番に近づく。

森泉:成功事例から持ってきているが、生々しい情報は隠している。

篠崎:隠し過ぎである。

松原光治(インフォアーキテクツ社):ソリューション提案につながる質問はあるのか。

森泉:ある。SPINという手法に従って入れてある。

松原:ソリューションセリングの教育を受けたことがあるが、顧客の真のニーズ(pain)を見つけ出すための質問からソリューションを確認するまでの質問の例が用意されていた。

豊永:わが社ではビジネスケースという名前でプロジェクト管理教育で教えている。

松原:提案順序の最初と最後に利益が出てくるが、二つの違いが不明である。

森泉:同じことの締めくくりである。

君島:営業手法が時代と共に代わるのは信用できない。個人的な手法は嫌だ。

森泉:これはリコーの公式の手法である。

君島:それなら改善の余地がある。最初にニーズを聞き出した時の客の用語を、後の提案に使うなどの手法が軽視されている。海自へ商談している時は講師を教官と言い換え、受講者を学生と言い換えるような手法である。

豊永:営業活動には構造があるということをコンサル手法として売り込まれたことがある。事例の関係や効能を構造的に説明できる。

森泉:このコースは入門で終わっている。

篠崎:客のキーパーソンを聞き出すなども抜けている。

松原:提案書の改善のための研修をメディカル機器の営業担当者に実施した際に、参加者から出されたケースを検討しているうちに、病院の予算のキーパーソンが病院長の奥さんだったという結果を得たことがある。キーパーソンを見出すことは大切だと思う。

豊永:そういうことがその後の作業を変えるようになっているとよい。

君島:このシナリオ作成シートは講師用か。

森泉:受講者用である。

君島:それはまずい。受講者用にシナリオという用語を使うと、聞いている人は講師用のGBSのシナリオのことと混乱する。GBSのシナリオの作成手法がないのか。

森泉:了解した。用紙名を訪問準備シートなどに変える。

篠崎:この方法はリコーの営業方法に忠実か。

森泉:営業部門のアドバイスを受けた。

君島:シナリオという用語の扱いもそうだし、ロールプレイングゲームにしても内容に即したネーミングにすれば抵抗は減るのではないか。ロールプレイングゲームでなくて、作業演習などと呼べばよい。

篠崎:講師のやり方によっても評判が違ってくる。

森泉:ロールプレイングゲームは新入社員向けのやり方を中堅にも使ってしまう。内容評価ではなくて「ハキハキしている」などを批評しがちなのであがってしまう。

豊永:このシナリオ作成シートは質問形式がよいのではないか。

森泉:ほかの資料に質問形式を入れてある。

森泉:質疑応答の録音を準備したものを再生して、どの文がどの種類かを回答させる(再生デモ)。

君島:受講して良かったという評価だそうだが、三日たったら忘れそうだ。会話能力は次第に速度を上げていかないと身につかない。

君島:会話能力には自分が話していることを客観的に批評できる冷静さが必要だ。

君島:このコースがGBS手法を用いていないと仮定すれば、どういう教育手法を使っていると言えるだろうか。実態に即したネーミングが欲しい。模擬客手法とか。

森泉:根本さんはeラーニングのための手法として採用していた。それを聞いて生の人間ならもっとできると感じた。現場のマネージャにこの手法をやらせることもできると感じた。

豊永:我々の場合は受講者に過去の提案資料を持ってこさせた。産能大の先生のアイデアである。それをこのコースのような感じの形式で書き直させた。

篠崎:InfoMap法は開発用となっているが、設計にも使える技法のはずだが。

君島:分析もカバーする。

森泉:BSCやUNIKIDSで設計が済んでいるのでこうなる。

君島:GBSは万能ではない。ロールプレイングゲームと同類の部分的な手法である。

森泉:その通り。一つと思っている。

豊永:これらの手法は狙いが違うのではないか。CRIは学問教育を含む複雑なもの向きではないし、GBSでコンピュータプログラミングの教育はできない。

森泉:教育の専任者はいるが、教育のプロとは言えない。品質保証のツールのようなセットが必要と感じて、これらをそろえている。

君島:品質七つ道具のような役割は理解できるが、品質七つ道具も七つの要素の中がさらにサブメニューに分かれている。そのようにすればロールプレイングゲームをはずす必要はない。

君島:このコースの内容に合う名称にしないとまずい。

豊永:産能大の「商談プロセス」のコースを受けたことがあるが、それと似ている。

森泉:このコースの中に商談プロセスは入っている(スライドを表示)。

君島:それは長期間をかける営業員向きであり、どうもCE向きとは思えない。たいして日数はかけないと思うが。

森泉:2回訪問することになっている。1回目は点検作業のついでに取材する。

君島:その作業像をちゃんと記述して、2回目への準備作業をじっくり明らかにしたらどうか。

森泉:ABCDの四つのゾーンに分けて、このうちの二つをCEが担当し、上位の二つは営業員にまかせる。

君島:そういう概念図ではなくて、会話のところを流れ図のレベルまで詳細に扱うべきではないか。ひょっとしたら故障診断と似ているのではないか。概念図では故障診断はできない。

池田:流れ図ではなくて決まりきった手順でもいいのではないか。
 

7.「事例研究科目開発のジェブ・エイド」

豊永 正人(日立ソフトウエアエンジニアリング社)

君島:作業補助道具と書いてあるが、主要道具が別にあるのか。

豊永:手引書本体が主要道具である。

篠崎:ASTDハンドブックの用語定義の部分に、「抽象的な」原理とあるが直訳調である。日本語のハンドブックにそう書いてあったのか。

豊永:英語のハンドブックの文面を自分で訳した。後で確認する。

君島:事例研究レッスンのレッスンとは何か。

豊永:科目、ユニット、レッスンという階層構造の単位のことである。

篠崎:特定の科目に適用しようとしているのか。

豊永:はい。プロジェクト管理の科目群を対象に事例研究開発の手引書を作っている。

君島:事例研究開発の労力等の定量的見積り基準は手引書に記載してあるか。

豊永:ない。

君島:事例研究を担当する主題専門家は教育経験がないから見積りを迷うのではないか。

豊永:迷うと思う。

篠崎:プロジェクト管理の事例記述は生のままか、失敗したものは表現を変えるのか。

豊永:大失敗のではなく小失敗の事例を扱う。A社などとぼかした表現にしている。

篠崎:工程の説明で「教材の構造を見極める」のと「教材を作成する」が並行するのはおかしい。設計してから開発のはずだ。

豊永:鈴木先生の本から拾った図である。複数の節を並行処理するからだろうか。

君島:ここは設計の後の開発の中の詳細流れ図である。ソフトウエア開発でもプログラミング段階にコンパイル単位内の詳細な構造決定は行なう。

君島:講師初心者が授業参観したりする作業がスライドにあるのに手引書に載っていない。手引書らしくない。

豊永:了解した。

君島:事例研究の構成の節も「構成とはこうです」という表現であり、手引書なら「構成をこう設計する」という表現であるべきだ。

君島:事例を複数用意するのなら、複数の事例の分担・順序をどう設計するのか、授業でどう使うのかが手引書に載っていない。

豊永:事例は複数使う。手引書に記載する。

君島:演習書の構造も同様である。レッスンプランも同様である。開発の時に何をするのか、実施の時にどうするのかが混乱している。

豊永:了解。WBSを書いてあるので、それと照合して作業指向に直す。

松原:「事例分析の質問技法」とあるが内容は質問とは思えない。

豊永:書き間違いである。事例分析の課題提示のようである。修正する。

松原:本来の質問もあるだろうから、手引書全体の各所の質問という表現の吟味が必要。

豊永:了解。

君島:「演習成果に対する評価」が実施中の評価なのか、終了後の評価なのか不明である。

豊永:実施中にする評価であることを明記するように直す。

君島:付録の道具一覧の中に参考文献程度のものが混じっているのではないか。

松原:私の専門であるInfoMap法の指導では、P(手順情報)とK(知識情報)とを区別させている。

君島:複数の事例をプリントとして少しずつ配布するのか、教材として一冊にまとめるのかの体裁の記事がない。

豊永:記事を追加する。

君島:手引書の見出しに項番を振ってないがこのままか。

豊永:これから項番を振る。

篠崎:プロジェクト管理の失敗事例は、QCD(品質・費用・納期)の話題をごっちゃ混ぜにするのか、科目やレッスンや事例プリントごとにどれかに絞るのか。

豊永:ユニットごとに一つか二つ程度に絞る。

君島:富士通のプロジェクト管理疑似体験ゲームはQCDを総合的に扱う。

松原:2004年5月にInfoMap欧州大会に参加した。英国で開発されたプロジェクト管理の手法手あるPrince2の取組が活発だった。ISO化の方向にあるようだったが、日本では取り組んでいるか。

豊永:日本では米国の PMBOKやPMP派が圧倒的に多い。私はPMP修了者を教育対象にする事業をしている。

松原:私が調べた範囲でも日本では取り組んでいないようだ。

森泉:研究会進行質問集は役立ちそうだ。

篠崎:よく収集した成果だが羅列なのが惜しい。

君島:分類するなり、五十音順にするなりが必要だ。

篠崎:お勧めトップ10を先頭に出すとか。これらは豊永さんのオリジナルか。

豊永:参考文献からかき集めてきたものだ。

君島:初心講師へ事例研究科目のイメージを与えるために時間割の例を最初に示すとよい。

豊永:それは用意しつつある。

松原:22ページ目に行為動詞が載っているが、使い方は何か。

豊永:学習目標を記載するのに使う。

君島:それに関して科目概要を書く作業手引が手引書に載っていない。それとも科目に係わらない一般的な教育手引書がほかにあるのか。

豊永:実は弊社にはそういった教育手引書がない。

君島:ISO9001で教育事業の認証を取得したのではないのか。

豊永:科目概要記述については存在しないというのが問題である。

松原:P(手続)とK(知識)の話しを前にしたが、まずPから書き始めるということが大切だ。表紙の教育開発という言葉になじみがないが、事例研究の実施まで含むのに開発と言うのか。

君島:それは私の手引書でも登場するが、教育開発は分析・設計・開発・実施・評価の開発の意味にも全体の総称としても使う。用語の定義のところで説明する必要がある。

8.「教官手引書の工夫点」

君島 浩(防衛庁)

 コンテンツ作成・評価手引書に続いて作成中の教官手引書が開発段階(執筆段階)に入ったので、その抜粋を紹介して査読してもらった。

君島:豊永さんの時にも話題になったように第1章の用語の定義には「教育開発」も入れる予定である。

篠崎:原稿では用語の定義が2語しかないが、最終的に何個ぐらいになるのか。

君島:1ページ程度にとどまる予定である。

篠崎:「調達/販売工程」とあるが防衛庁では販売はするのか。

君島:しない。「販売」という語句は削除する。

豊永:プロジェクト管理教育でも発注作業工程があるが「折衝」という用語ではない。

君島:我々も発注側であるが世間の販売工程標準に合わせることを尊重した。

松原:分析というフェーズは、InfoMap法では、対象の文書によって二つの言葉で使い分けている。教材やマニュアルなどの大規模な文書やウエブサイトを開発するケースでは、計画(define:定義)のフェーズ、ビジネスライティングのような小さな文書のケースでは、分析(analyze)のフェーズと表現している。

君島:定義とするのは賢明である。分析というのはいろいろな意味で使われるからだ。ただしISD分野ではこれが標準である。

豊永:課程というのは課程体系(カリキュラム)なのか一つの科目のことか。世間ではカリキュラムとシラバスという用語がいい加減に使われている。

君島:両方である。始業式・終業式のある課程群も課程と言う。課程体系の分析・設計も一つの課程の分析・設計も本手引書では扱っている。分析の最初には課程群になるか一つの課程になるかさえ不明である。二つの意味があることは手引書の中で定義する。

篠崎:生産性の見積り基準が、数値によってはマイナスになってしまうが。

君島:マイナスになることはない。表現が十分でないので修正する。

森泉:職務関係事象表の各項目の意味がよく分からない。例を説明して欲しい。

君島:例外的な相手とはコンビニの客が商品を落して壊してしまった場合である。時間帯とは夜になって暗くなった場合などである。

篠崎:行事の例はバレンタインデー。

森泉:これはリコーにも通用するので、これは使える。

池田:時間帯の朝、昼、夜などと細かくする用紙を提供するのか。

君島:この手引書では細かくしない。分野ごとに細かい用紙を用意してもよい。コマツのブルドーザの品質管理用紙では、砂漠で使う場合、極地で使う場合などと細かく分けた用紙にしている。

君島:学習に用いる五感の比率というデータは手続用ではなくて単なる知識なので付録へ移す。

池田:AECという言葉があるが、なぜCBTとかeラーニングとは言わないで教室の名称なのか。

君島:米国海軍の用語をそのまま用いている。米国海軍にいろいろな理由がありそうだ。一つにはフライトシミュレータなどの模擬演習施設との対比があるので、教材名ではなくて施設名にしたのではないか。二つにはビデオ教材が普及していたので配布型教材はもともと珍しくない。三つ目としてはデスクワークが少ないので、現場にはコンピュータが乏しいから、コンピュータ室へ集合するというのが軍隊の特徴である。

篠崎:チェックリストは作らないのか。

君島:まだ執筆途中なので完成までには増やす。

篠崎:著作権法に関する今回のワークショップ向けの囲み記事は、著作権法の重要性を伝えるために正式版にも残したらどうか。

君島:命令どおりに作業する組織なので必要ない。異動してきて教育について何も知らないから、手引書に書いてあることに抵抗を感じるヒマがない。

篠崎:性別教育の禁止という指針があるが、森泉さんの発表に女性専用教育の話題があった。問題である。

松原:能力分類の表現が、動詞形のと名詞形のとが混在している。

君島:統一する。

篠崎:知識能力分類が5水準しかないが、もっとないのか。

君島:運動が7水準なのでそれと合わせると美しいのだが参考になる文献がない。

9.「演習を伴う研修における補助講師の役割」

篠崎 直二郎(NECソフトウエア)

 ある役所のコンピュータ研修を受注した。いつもの講師以外の要員を動員する必要があり、会話能力や作法に不安があったので、演習講師手引を作成した。講師反省会や講師訓練をしながら改版しつつある。いろいろ苦労しているが演習講師手引は大切だと思っている。

(このセションの質疑応答は名誉に関わることなので要約にとどめる)

豊永:米国の講師訓練を受けて、望ましい行動は文化によって違うと教わった。国によっては指示棒が好まれず、手の平をひろげて指すのが好まれる。

君島:米国では指示棒を使わないことが多い。話すのが主役である。

篠崎:今回の事例は日本の特定の役所ということに限定される。文化の違いはない。

森泉:講師の行動を変えるのにはパフォーマンスマネジメントいう指導法がある。いやなことでも自分を褒める講師はなかなか変化しようとしない。それなりの指導法がある。

松原:自分が講師をしている時のビデオを見せられた経験がある。

篠崎:それでも自分を褒める講師は気がつかないという恐れがある。

君島:気がつかないという以前に単なる記憶力の発育や劣化の問題という場合もありえる。1MBのメモリに5MBのことを記憶させることはできない。私も眼鏡を外すとぼんやりとしか見えない。

豊永:自己矛盾があって、それを超える行動が取れないという可能性もある。

君島:演習の講師手引というのは必要である。例えば私がサブ講師を頼まれても何をすればよいのか迷う。教官手引書にも演習教官の手引を入れる。自衛隊は演習が主体である。

篠崎:自衛隊の教官手引書が完成したら参考にしたい。

10.「eラーニングの成果の捉え方」

池田真司(リコーテクノシステムズ)

 昨年のこのワークショップで人事考課eラーニングの途中試験の不足を批判されて、今回はEMS基礎コースというものに途中試験を入れて、入れる前の結果と比較した。

君島:発表の次第だが、スライドの後半に結果を入れるだけでなく、最初の方のスライドでも結果の概要を述べてしまうべきである。

池田:了解した。

篠崎:流れ図の最後の修了試験の戻り先が変である。復習のところまで戻るべきだ。

池田:了解した。

池田:たいていの人が途中試験を1回で通過しているが、成績優秀な人に試験回数の多い人が多い。満点を取らないと気が済まない人のようだ。したがって,試験回数と成績とは相関しない。いずれにしてもほとんどの場合は1回で通過するということが分かった。

豊永:プロジェクト管理科目でも同じような傾向を経験した。

池田:完了率が落ちたのが課題である。

君島:試験方法以前に内容や造形も変えるべきである。

篠崎:説明が冗長である。説明を短くするだけでも学習時間は減る。

君島:構造を改善する必要性は感じているか。

池田:直す余地はあると思うが、現行のはISO14000の要求事項順になっている。

君島:現行のは上昇形や歴史順という初等中等教育向きである。リコーでどう取り組むかという作業指向にすべきだ。

池田:それは応用コースである。

君島:鈴木先生の指摘のように人によって結果優先、下降型、上昇型などと選べるのが望ましい。歴史順を読まされるのは私なら嫌だ。

篠崎:全員が完了していないようだがそれでISO認証されるのか。

池田:以前に紙資料で取り組んで認証は済んでいる。

篠崎:それならCBTに凝らないでサーバアクセスで簡単に処理すればよさそうだが。

君島:CBTにしないで紙資料の回覧で十分ではないか。自衛隊でもいろいろなことが手引書の回覧で処理されている。

君島:数値基準も含まれないようだし、記憶能力を要しない内容なのか。

池田:簡単な内容である。応用コースは記憶能力を要する内容があるかも知れない。

米島:プラットフォームは何か。

池田:I-Naviである。実コンテンツをデモする。

画面ごとに全員で査読:

「受講していただく」は教育者主体の発想である。「学習する」が普通である。

そのほかにも学習者主体でない表現が多数ある。

縦長なので横長画面に収まらず、スクロールが必要である。印刷を優先してデザインするのではなく、画面専用にデザインしたものを、印刷用に直すべきである。

見出しの背景などに色の付け過ぎである。

内容の先頭に注意事項が出るのは暗い。講座一覧のあたりに簡潔に示すべきだ。

CBTの操作説明がくどい。もっと簡潔にできる。

EMSの日本語正式名称がない。環境管理と言えばよいのに。

最初の方に型通りの目的や範囲の概要説明がない。

EMSの成立の経緯など聞きたくない。今後どう作業するのかが不明である。

全体として基礎から上級へと並べてあり、これは子供向きだ。成人向きは下降型などにすべきである。

字下げをする段落形式にするのか、字下げも改行もない無段落形式にするのか、どちらかにすべきだ。原案は中途半端である。

雰囲気のイラストはページの最後ではなくてページの先頭に置くのが定石である。

試験問題に主語と述語がつながらない文がある。

試験問題の出題文が変だ。ほかの例を参考にすること。文章ではなくて文である。

君島:文章の諸問題などは複数人でレビューして指摘しなかったのか。

池田:複数人のレビューはしている。EMS推進側が中心である。

米島:選択問題の四つの文の中に間違いであることがバレバレの文がある。

君島:それは構わない。むしろ文が多彩過ぎる。本文中の表現とそっくりにして復習に役立てるので構わない。四つの文の順序は作為のないように五十音順などにするとよい。自動車運転免許の筆記試験のような引っかけ問題は参考にしないこと。

篠崎:途中の試験を増やしたというが、本文から見ると試験されない部分が多過ぎる。本文の量を減らしたらどうか。全社で見れば大きな学習人日の削減になる。

君島:教育企画会議で範囲や学習目標を先に決めずに教材を作るのが問題だ。

池田:EMS推進者がこれは必要だからと主張してこう決まった。

君島:必要だと言うのはだれでも言える。十分性(最少性)の観点で批評できる人が意思決定すべきだと思う。EMS応用コースをEMSコースにして、EMS基礎コースはやめて手引書の配布ぐらいにとどめたらどうか。

(発言者不明):セキュリティの例でも社内の制度を確立することの方が一般的な知識教育よりも投資効果が高い。

松原:ISO9001の審査員をしたが、この例は審査員に顔を向けたような教育に思う。ISO9001も主体者である経営者がその気ならすばらしい制度だと思うのだが。

君島:富士通でISO9001の認証取得をした時は、現場の意見をよく承知したバランス感覚があったと思う。部長クラスが仕切ってうまいこと進めた。

11.「eラーニングを事前課題に用いた評価測定結果」

松原 光治(インフォアーキテクツ)

 テクニカルコミュニケーション手法であるstyle="font-family: MS InfoMap法の受託教育にeラーニングを併用してみて、三つの事例を比較評価している。比較評価が困難な理由として、顧客ごとのアンケート方式の差異、顧客ごとの受講年齢層の差異、顧客ごとのeラーニングのチュータリング・メンタリング(進捗促進等)の差異がある。ただし生授業の講師としての感触としては、併用する方がよさそうとのことである。

池田:アンケートで「できなかった」を選んだのは未完了という意味ではない?

松原:未完了又は手がつけられなかったという意味である。

池田:完了しなかった人が「有効ではない」と回答しているように思う。

篠崎:チュータリングの有無で雲泥の差がある。

森泉:「有効だった」と「理解できた」には微妙な差がある。

篠崎:理解度の顧客差は顧客のアンケートの差異かも知れない。「大体理解できた」がほかの顧客では「できない所があった」に対応しているように思う。管理職が受講者の場合には習得速度が遅いが、百点を目指す傾向があるのではないか。

豊永:君島さんの発表にカークパトリックの水準1評価(アンケート)は定性的が原則であるとあったが、定性的な評価をどう使うのか。

君島:教育の改善全般である。誤字脱字の指摘をはじめ、何でも役に立つ。

森泉:1000人のアンケートとなると処理が大変である。

君島:池田さんの発表に大量のコメントの表があった。I-Navi等のLMSにも定性的所見を表に整形する機能があると思うが。

池田:ある。

君島:全体の要約は定量的評価や成績評価(水準2評価)を用いる。海幕にも要約した定性的評価が来て、課員も私も各自の担当範囲を見ている。

池田:私が回収した定性的なコメントはそれなりに納得のいくものであった。

篠崎:三つの顧客(実験番号:1、2、5)では1と5が似ているように思う。

森泉:2は年齢層が若そうだ。自分が文章を書かされる立場なのだろう。

池田:管理職は自分なりの作文手法を身につけている。若い人は手法を知らなかったので、InfoMap手法を習得することのありがたみが分かるのだろう。

森泉:eラーニングをした後にJQAの紙通信教育教材を全管理職にさせたら、評判がよくてがっかりしたことがある。「電車でもできる」などである。

松原:この実験でもそういう要望があった。「自分が好きな時にできたか」という質問には否定的な回答が多い。「業務中にはできなかった」「業務中に学習するのは苦痛である」。「自席で受けられるのは良かった」「業務の合間にできるのは良かった」との回答もある。イントラネットだけの顧客と、インターネットの顧客の両方があったが、自宅でできるという利点への回答は少なかった。

君島:生授業をした松原さんとしての感触はどうだったか。

松原:eラーニングで事前学習する併用方式の方が用語を知っているのでやりやすかった。eラーニングを事前学習だけではなく、生授業を始めた後に学習する人が実験2(若い人が多い)にはいた。

森泉:水準2評価(成績評価)はしないのか。

松原:森泉さんの会社でやらせて欲しい。

豊永:eラーニングをする時に電車用の印刷物も渡している。クラスの実施後にもeラーニングを実施している。資格認定受験のための準備教育なので、本番である受験前の学習が大切だからである。

君島:このeラーニングのオープニングには松原さんの顔写真は入っていないのか。

松原:入れていない。

池田:入れると良い。写真で知っている人がクラスの講師に来るというのは親近感が増す。

松原:受講後の3か月後、9か月後にアンケートを取りたい。職場で手法を使えたかどうかが分かる。

森泉:すべての講座で事後アンケートを取っているが、回答を活用しているとは言えない。

池田:大勢の部下の回答を処理する職場の上司も大変である。

君島:海自では水準3評価(業務評価)を実施しているので、同じように期間を置いた評価の形になっている。

篠崎:リコーで処理するのが大変なら、回答をそのまま松原さんへ送ったらどうか。

豊永:リコーの教育のツールは何か。

森泉:Lotus Notesである。グループウェアとして全社員が使っているので、教育のやりとりにも全社的に使える。

豊永:わが社の場合にはExcelマクロと人手で処理するので大変である。

森泉:人手がかかるとアンケートに愛着が生まれて、回答を活用するという効用がある。

12.「近況報告」

米島博司(NECテレネットワークス)

 関係会社の再編によって担当職務が変わった。今までは主に顧客教育担当だったが、社内のシステムエンジニアとかSIと言われる社員の教育担当に変わった。教育の仕方が講師の選定から始まって、単純でなく細かい。新入社員向け教育が多い。事例を与えて考えさせる方式が多い。

君島:商談プロセスの話しが前に出たが、商談の作業分解構造WBSはありそうか。

米島:WBSはないかも知れない。商談のチェックポイントはあるはずだ。しかしそのタイミングを考えるのは頭の中のようである。

篠崎:PMPはあるか。

米島:やっている。

松原:社内提案プレゼンの講座をこれからやる。プレゼン手法ではなくて、提案の内容に立ち入った教育にする。そういうのが喜ばれる。

君島:富士通ラーニングメディアは富士通の営業教育も担当しているが、実務の営業手引がすばらしいのがある。営業の課長たちが作業部会で作ったものだ。IBMなどはしっかりした専門家が作るのだろうが。いずれにしても現場のノウハウがしっかりしていることが教育の基盤になる。

米島:ジョブエイドの整備には取り組みたい。良いシステムエンジニアと言われている人の行動は大体似ている。

13.新潟中越地震

2004年10月23日(土) 11:30 最後の発表セション終了。
ホテルのマイクロバスで長岡駅へ移動。車中で地震に弱い家屋の話題が出る。

11:43 米島氏、長岡駅発東京行き新幹線に乗車。

   ほかの6名は昼食のため長岡駅ビルの「日本海庄や」に入る。

   君島は歩行中かすかな揺れのような違和感があったが年のせいかと思い黙っていた。足元に敏感らしい。

   給仕が6名に対して黙って配膳した。ここの給仕技法は上質だと話題にした。中越地震後に駅ビル全体が営業停止になった。

12:36 君島、別の研究会があるので長岡駅発東京行き新幹線に乗車。

   ほかの5名は長岡駅近くの山本五十六記念館等を見学。

14:37 篠崎氏、豊永氏、長岡駅発東京行き新幹線に乗車。

15:14 森泉氏、長岡駅発東京行き新幹線に乗車。

16:15 松原氏、池田氏、長岡発新潟市行き高速バスに乗車。

17:00 松原氏、新潟空港へ到着。17:50発への変更は満席で不可能。

17:56 松原氏、新潟空港の寿司店で中越地震を体験。激しい揺れだが棚から物が落ちない程度。滑走路点検のため大阪発18:20新潟着予定のJAL便は上空で待機して着陸が遅延。

小千谷市等で震度5強以上の余震は、17:59、 18:03、18:11、18:34、18:36、18:57、19:36、19:45、19:48等。

19:30 松原氏、折り返しの新潟発大阪行きのJAL便が30分遅れで離陸。

   池田氏は観光目的で新潟市のホテルに宿泊した。翌日、上越新幹線が不通のため磐越西線・東北新幹線を使って長い時間をかけて帰京した。

10月27日(水) 長岡技術科学大学のウエブサーバが復活。

アプローチ道路は走行不可能。施設の傾き、敷地内の教員・学生宿舎の生活苦等あり。

1日に発表・施設案内してくださった教員3人は新潟放送から出向のため自宅は新潟市のようである。

以上