ユーザ企業のIT部門の戦略

担当プログラム委員: 熊野 憲辰
ML: ss2009-user

概要

1. 企業の中でIT部門に求められているものは何か?

様々な議論の出発点として、経営者の視点でIT部門に求められるものは何かを考察する。 IT導入に黎明期においては、そのROIは明確であった。いままで人間が手作業で行っていた 各種作業が自動化されたからだ。素朴なカテゴリ分けで言うと、これは基幹系のIT化といえる。 そして情報系、コミュニケーション系へと、ITは適用を伸ばしてきた。 さて、このような現在企業の経営者はどのようにITを見ているのだろうか? 当初は基幹業務を自動化しコストダウンに貢献した情報システム部門が、 現在は高コストセンター化している。この状況に苛立ちがあるのではないか? また、IT投資のROIが可視化しづらい現状で、経営者は今後も投資を続ける気があるのだろうか?

2. 何をインソースで行って、何をアウトソースするべきか?

企業の中のIT部門は、大きく開発部門と運用部門に分かれる。 今回ここでは開発部門の視点で考えることとする。 その開発部門にとって、必要なスキルはなんだろうか? 当然、全てをインソースでまかなうことはできない。 アウトソースも必要である。どこをインソースで行う必要があるのか? この問いは、突き詰めれば企業戦略にまで行き着くだろう。 また、企業のシステム形態にもよる。ERP等のパッケージ中心の企業、 自社で開発を行う方針の企業等で、戦略は異なるだろう。

3. ユーザ企業とベンダーとのマインドのズレはなぜ生じるか?

ユーザ企業が、RFPでベンダーに提案を依頼する。そしてベンダーより提案がなされるのだが、 常にマインドのズレを感じる。ベンダーはベンダーの理論で、自分達の提案したい商品を 提示しているのではないかとも思う。根本的な問題はなんだろうか? ユーザ企業とベンダーの利害は相反するものなのか?利害を一致させてWin-Winの 関係を構築するためには何が必要なのだろうか?

4. アカデミアとの連携は可能か?

産学連携の重要性は認識されているだろう。 しかし、現実には距離があるのではないか?ユーザ企業のIT部門にとっては、 さらに距離を感じる。ユーザ企業のIT部門は、業務の現場に近い。 アカデミアはその逆だともいえる。アカデミアには理論も技術もある。 ユーザ企業のIT部門は技術的には遅れている。このように、相互補完することは 大いに意味があると思われるのだが、あまり事例は聞かない。

5. ここが不満だ!現在のIT産業

前述のベンダーとのマインドのズレも含め問題意識を交換する。 その原因を議論したい。また、ユーザ企業側にも、ベンダーに丸投げするような体質だとか、 問題は多い。不満を一方的に述べるだけではなく建設的な議論の場にしたい。

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