モデリングの方法論とツール

担当プログラム委員: 山田 正樹
ML: ss2009-model

概要

「モデリングの方法論とツール」のワーキング・グループでは, 「モデリング」の具体的な方法論とツールをテーマとします.

2006 年から2008年までのソフトウェア・シンポジウムで, 我々は「モデリング」を中心テーマとした ワーキング・グループを続けてきました. それは「モデリングとは何か」を巡る旅であったように思われます. 「ソフトウェアにとってモデリングとは何か」「ソフトウェア産業の中でモデリングと何か」 「会社や組織にとってモデリングとは何か」「自分にとってモデリングとは何か」

モデリングは今や, ソフトウェア開発のあらゆる側面に関わっており, それ自体がソフトウェア開発の中心的なパラダイムになってきています. しかし (少なくともソフトウェアの日本のメジャー・プレーヤの間では) 思考方法としての 「モデリング」や, 開発態度としての「モデリング」にまでは広がっていないようです. そのような状況の中で, 我々のワーキング・グループでは, 今までの3年間のワーキング・グループで 培ってきた議論と認識の共有を礎として, 今年はより具体的な議論に入っていきたいと思います.

一方では例えばMBSE (Model-based Software Engineering) と呼ばれるような 先端的なモデリングの考え方, 手法, 方法論, ツールがあります. そして, その裾野には20 年近い歴史を持ち, 実効性があり, 多様なモデリング技法をサポートする考え方, 手法, 方法論, ツールが広がっています. しかし, それらを提供している側, それらを使いこなしている側からすると 現状のソフトウェア開発には, まだまだもどかしさや見えない壁を感じざるを得ません.

その一方で, 現在のソフトウェア開発に大きな問題と疑問を感じつつ, それにどう対処すればよいか, 「モデリング」とやらいうものをどうやって開発の現場に持ち込めば良いかに困惑し, 苦慮している人たちもいます.

このワーキング・グループでは, 小さな市場としてその二つの間の橋渡し, マッチング, 取引, バトルができればと思います.

このワーキング・グループでは, 次の二つのタイプの参加者を募集します. 一つは「現実のソフトウェア開発でこれが大問題」という具体的な問題を抱え, それを何とか解決したいと考えている人, もう一つは方法論やツールなど具体的な形で モデリングによるソリューションを提供できるのではないかと考えている人です. ここでは簡単にするために前者を「探求者」, 後者を「宣教者」と呼ぶことにします.

探求者として参加する人は, 自分たちの抱える問題と解決のために取ってきた過程を A4一枚程度のポジション・ペーパとして提出して下さい. ワーキング・グループ当日には それを元に15 分程度のショート・プレゼンテーションをお願いします.

宣教者として参加する人は, 自分が提供できる「モデリング」の方法論とツールについての A4一~数枚程度のペーパを提出して下さい. ただしここで言う「モデリング」は ソフトウェア開発の (超上流から最下流まで) あらゆる工程に関わる, 非常に広い意味でのモデリング (抽象化とその表現, 変換, 具体化, 形式化の手法) を意味しています. 自分でモデリングと思えば OKです. その代わりに, 具体的に適用可能な方法論とツール (ソフトウェア・ツールとは限りません. 紙と鉛筆でも, レゴ・ブロックでも何でも構いません) をワーキング・グループ当日に デモンストレーション可能であることが必要です. 当日は60~90分程度の時間で, 自分が立てた問題を 自分 の方法論とツールでどう解決するかをデモンストレーションして下さい. (自分自身が開発した方法論/ツールであっても, なくても構いません. また商品として販売される自社製品などであっても構いません. ただし単なる営業トークではダメです)

その後, 全メンバで問題解決のための議論, ワークショップを行います. 探求者の求めにどうやったら応えることができるか, 探求者と宣教者はそれぞれ何をしたらいいか, がテーマです.

もちろん「探求者」と「宣教者」の分野と問題意識, 解決がうまくマッチングするかどうかは分かりません. もしかしたら「解はない」ことが分かるだけかもしれません. それでもいいではないですか.

ポジションペーパー

発表資料

その他