ソフトウェア・シンポジウムは,ソフトウェア技術に関わるさまざまな人々(技術者,研究者,教育者,企業人,学生,等々)が一同に集い,発表や議論を通じて互いの経験や研究成果を共有することを目的に,毎年日本各地で開催されてきました.1980年に始まったこのシンポジウムも,25回目(四半世紀)を迎えることとなります.今年は,「立山を仰ぐ特等席」富山市で開催します.
今回は「節目としての四半世紀」をテーマに,例年どおりの研究論文/経験論文/事例報告の他に,ショートペーパーという投稿枠も設け,ソフトウェア技術の未来を予見させるような論文や報告を集めました.未来を予見するとは,過去の実績を踏まえた上で大胆な一歩を踏み出すことです.ダイナミックな技術変化を積極的に捉え,参加者のみなさんと一緒に明日のソフトウェア技術のイメージについて議論したいと考えています.
シンポジウムの本会議は6月8日(水)から10日(金)までの3日間の開催ですが,シンポジウム開催前日(7日)の午後には,併設チュートリアルとして「テスト駆動開発」も行われます.
さらに,次の2つのプレ・イベントも,6月6日(月)および7日(火)に開催が予定されています.(詳細は,各主催者にご確認ください)
また,新進気鋭の若手研究者による会議初日の基調講演および2日目の招待講演については,会場(大ホール)の座席に余裕があることから,シンポジウム参加者以外の方々にも,公開セミナーのような形で,お聴きいただけるようにしました.お仕事の都合などでシンポジウムへのフルタイムでの参加が難しいと考えておられる方々の聴講を歓迎します.
プログラム委員他,関係者一同,将来のソフトウェア技術を考え,議論する充実したシンポジウムを企画することが出来たと考えています.日々の仕事や研究から一旦離れ,多くの仲間と共に新たな自分を見つけてみませんか?会場でお待ちしてます.
6月7日(火)/6月8日(水)/6月9日(木)/6月10日(金)
チュートリアル受付
【チュートリアル】(多目的会議室201・202) 司会:阪井 誠(SRA-KTL,EASE)
「テスト駆動開発入門〜バグがないプログラムのつくり方〜」
川端 光義(アジャイルウェア)
今注目を浴びているテスト駆動開発(TDD)は,開発の前にテストプログラムを用意することで品質を確保することが出来ます.また,TDDはトヨタのかんばん方式にも例えられ,余分な実装を最小限に抑えることで工数も短縮します.しかし,TDDはテストをプログラマ任せにするため,経験の浅いプログラマでは返って品質を落としかねません.本チュートリアルでは,テストの品質を上げるためのノウハウを提供するとともに,参加者のPCを用いた簡単なJava演習を通じて導入時の注意点をアドバイスして頂きます.なるべくPCをご持参ください(定員30名:先着順).
※受講者には教科書として以下の本をさしあげます.
川端 光義,倉貫 義人,兒玉 督司,
「バグがないプログラムのつくり方」,翔泳社,2004年
シンポジウム受付
【オープニング】(メインホール)
【基調講演】(メインホール) 司会:藤枝 和宏(JAIST)
「ソフトウェア開発における協調作業支援の試み
− 分散型構成管理支援ツールPalantir を例として −」
André van der Hoek (University of California, Irvine)
講師紹介:
オランダ生れ.コロラド大学でPhD を取得した気鋭のソフトウェア工学研究者.専門は構成管理,アーキテクチャ,プロダクトライン.今回の基調講演では,Awareness Notification の機能を付加した構成管理システム Palantir を例に分散開発環境における協調支援の新しいアプローチについて述べる.個人Web Page は:http://www.ics.uci.edu/‾andre/
【セッション1A】「教育」(多目的会議室201・202) 司会:豊永 正人(日立ソフト)
【セッション1B】「プロセス」(多目的会議室203・204) 司会:小池 太(日立)
【セッション2A】(多目的会議室201・202)
「ソフトウェアアーキテクチャ」 司会:藤枝 和宏(JAIST)
「ポスター・ツール展示紹介」 司会:小池 太(日立)
【セッション2B】「形式仕様記述」(多目的会議室203・204) 司会:荒木 啓二郎(九州大)
パネル討論「デザインワークショップ報告」
伊藤 昌夫(NIL),佐原 伸(日本フィッツ),野中 哲,他
【特別講演】(メインホール) 司会:新森 昭宏(INTEC Web and Genome Informatics)
「富山売薬と情報」 米原 寛(立山博物館 館長)
富山を語るキーワードとしては,売薬・北前船・立山信仰などがあるが、ソフトウェアとの関連を考えて,「富山売薬と情報」に的を絞ってお話しいただく.実際,情報とその流通という視点は富山売薬を語る上できわめて重要である.立山博物館のホームページは:http://www.pref.toyama.jp/branches/3043/home.htm
【セッション3A】「開発支援ツール」(多目的会議室201・202) 司会:山本 晋一郎(愛知県立大)
【セッション3B】「組み込み」(多目的会議室203-204)
研究発表 司会 冨山 宏之(名古屋大)
パネル討論「組み合わせ and/or 擦り合わせ」 司会 鈴木 郁子(シャープ)
大山 博司(オークマ),冨山宏之(名古屋大),西 康晴(電通大),二上貴夫(東陽テクニカ)
【招待講演】(メインホール) 司会:青木 淳(SRA-KTL)
「化学と情報とコンピュータをつなぐ境界領域ウォーキング」 佐藤 寛子(国立情報学研究所)
講師紹介:
専門は化学情報学,計算機化学.今回の講演では,化学と情報学あるいはコンピュータ関連技術との境界領域において発生するさまざまな問題点について,特にソフトウェア工学とのかかわりを中心に考察する.個人Web Page は:http://research.nii.ac.jp/staff-list/members/SATOH,_Hiroko-j.html
【セッション4A】「情報システム」(多目的会議室201・202) 司会:中野 秀男(大阪市大)
【セッション4B】 司会:権藤 克彦(東工大)
チュートリアル「プログラミング実演:より効果的なプログラミング教育を目指して」
冨永 和人(東京工科大)
【セッション5A】(多目的会議室201・202) 司会:蔵川 圭(NAIST)
パネル討論「メタ設計論による設計行為の理解」
伊藤 昌夫(NIL),落水 浩一郎(JAIST),酒匂 寛(Designers' Den),佐原 伸(JFITS)
【セッション5B】 司会:臼井 義比古(環境システム研究所)
パネル討論「思考力を持ったソフトウエア技術者の育成を考える」
青木 淳(SRA-KTL), 佐藤 寛子(国立情報学研究所),
菅原 耕一(富士フイルムソフトウエア),冨永 和人(東京工科大学)
【BOFの参加者集めの為のひととき】(多目的会議室203・204) 担当:臼井 義比古(環境システム研究所)
BOFはBirds Of a Feather(同じ羽の鳥つまり同種)の略で,ある問題に関心をもって集まって,インフォーマルに意見を交換する場のことです.今回は,例年個別に開催されているBOFの開催情報を公開すること(申込があったもののみ)で各BOFに新たな顔を取り込む手伝いをするなど,BOFをより活性化させようと企画しています.
どのようなBOFが既に企画され参加者を募集しているか,BOFの開催希望者で情報を公開したい方はどうすればよいか,BOFを希望される方へのアドバイスや会場選びなどの方法はhttp://ss2005.jaist.ac.jp/をご参照ください.
【クロージングパネル】(多目的会議室201・202) 司会:新谷 勝利(SEC)
「これからのソフトウェア開発者に期待すること!」
−熱き思いを、経営者から、開発企画担当から、
ソフトウェア・エンジニアリングの先達から−
最首 英裕(イーシー・ワン),宇野 裕史(シャープ),
岸田 孝一(SRA-KTL),鶴保 征城(SEC)
【クロージング】(多目的会議室201・202) 司会:菅原 耕一(富士フイルムソフトウエア),藤枝 和宏(JAIST)
6月8日と9日の両日ポスター・ツール展示コーナーを開設します.
近藤 康ニ(ソニー)
田中 一夫(JFITS)
菅原 耕一(富士フイルムソフトウエア),藤枝 和宏(JAIST)
鈴木 郁子(シャープ),東田 雅宏(PFU),小池 太(日立),臼井 義比古(環境システム研究所)
荒木 啓二郎(九州大),飯田 周作(専修大),伊藤 昌夫(NIL),
今泉 貴史(千葉大),小笠原 秀人(東芝),落水 浩一郎(JAIST),
川井 奈央(IPA),菊池 豊(高知工科大),蔵川 圭(NAIST),
権藤 克彦(東工大),阪井 誠(SRA-KTL,EASE),
酒匂 寛(Designers' Den),佐原 伸(JFITS),新谷 勝利(SEC),
鈴木 裕信(鈴木裕信事務所),高井 正三(富山大),
冨永 和人(東京工科大),冨山 宏之(名古屋大),
豊永 正人(日立ソフト),中野 秀男(大阪市大),
西 康晴(電通大),野呂 昌満(南山大),畑田 稔(富山県立大),
林 香(SRA),藤野 晃延(In Arcadia),
二上 貴夫(東陽テクニカ),古木 良子(オープンテクノロジーズ),
堀田 文明(JAIST),松下 誠(阪大),松田 充弘(日立国際電気),
水野 修(阪大),山本 晋一郎(愛知県立大),鷲崎 弘宜(NII)
新森 昭宏(INTEC Web and Genome Informatics)
岸田 孝一(SRA-KTL),中島 千代子(SEA)
ss2005-inq/B>
SEA・協賛団体会員 | 30,000円 |
SEA シルバー会員 | 20,000円 |
一般 | 40,000円 |
学生 | 10,000円 |
※一般の方で論文発表者(および共著者)は会員価格が適用されます.
4,000円(教科書代含む)
※ シンポジウムに参加される方は無料で受講できます.
ただしシンポジウム参加申込みと同時に必ず受講希望の有無を申し出てください.
併設チュートリアルの申し込みは定員に達しました.
なお,このチュートリアルの定員は30人ですので,申し込みが定員に達したあとは,その後申し込まれた方に「残念ながら満員になりました」というお断りのメイルを Reply します.あしからずご了承ください.
申込書に必要事項を記入し,ss2005-apply まで E-mail でお送りください.請求書を郵送する都合上,住所は町名番地までお書きください.参加証は特に作りません.受付と同時に,受付番号 をお知らせする確認 mail を返信しますので,当日そのコピーを会場受付でご提示ください.
締切りは 2005年5月30日(月)です.
会議第1日午前(10:00-11:30)の André van der Hoek 先生による基調講演および第2日午後(13:00-14:30)の佐藤寛子先生による招待講演を,シンポジウム参加者以外の方々に一般公開します.聴講料は下記の通りです.
どちらか一方 | 2,000円 |
両方 | 3,000円 |
学生 | 1,000円(両方の講演が聴けます) |
会場はいずれも国際会議場3階ホールです.事前の申込みは必要ありません. 当日直接会場受付へお越しください.